加藤桃子女王（左）と西山朋佳奨励会三段

加藤桃子女王と西山朋佳三段の共同記者会見

―― 西山さん、今日の岩根女流三段との対局で、挑戦権を獲得しました。いまの心境はいかがですか。

西山「事前にこれまでにないくらい準備をしてきたので、自信はありました。想定している形にもなったので力を出しきれると思いました。自力で挑戦権を獲得し、同世代で何期もタイトルを取っている加藤さんと五番勝負を戦えるのは純粋にうれしいです」

―― 加藤さんとは、第４期リコー杯女流王座戦五番勝負（２０１４年）で１度対戦しています。

西山「あのときは１回も勝てずに終わってしまいました。今回はリベンジの機にしたいと思います」

―― 加藤さんの印象は？

西山「上京して４年目になりますが、加藤さんには何度もお世話になったことがあります。朗らかでひたむきなところを尊敬しています。将棋も自分よりたくさん戦型を知っていて刺激を受けます」

―― 五番勝負への抱負を。

西山「半年前の自分の棋譜を見返して、ちょっと甘いなと感じるくらい成長できたと思うので、今回の五番勝負は以前よりは自信があります。悔しい経験を生かして、精一杯力を出しきって挑みたいです」

西山三段

―― 加藤さんにお聞きします。西山三段の印象は？

加藤「西山さんとは、ふだんは奨励会で会うことが多いですけど、そのときは勝負師の顔というか、きりっとしていてかっこいい。一方で、話をしてみると結構まったりと癒されるところがあります。真面目な話になったときにはズバッと言ってくれるので、自分にとってはありがたい存在です」

―― 西山さんの将棋については？

加藤「以前と比べて将棋に対する姿勢が違うなと感じた瞬間があって、刺激になっています。自分も負けられないなと思いました。今日の棋譜も先ほど並べましたが、序盤ですごく工夫されて、たくさん練ってこられたんだなと。この勝負に懸ける気持ちが伝わってきました。以前から豪腕で勢いのある将棋だと思っていますが、それに加えてすごくよく考えていらっしゃるなという印象を持ちました」

―― 加藤さんにとって今年度はどんな１年でしたか。

加藤「自分なりに復活できた１年と思っていて、調子がいい具合に上向いていると感じています。ただ、奨励会に関しては初段に戻れたものの現状維持の状態なので、この五番勝負で大きく気持ちを変えて勢いをつけていきたいなと思っています」

―― 今期、防衛すれば、連続５期獲得で「永世女王」の資格を獲得します。

加藤「『永世女王』はもちろん狙いたい。何とかして防衛したいと思っていますが、自分らしいのびのびとした将棋を指したいなと思っています」

加藤女王

将棋世界 2018年5月号には、西山奨励会三段による挑戦者決定戦の自戦解説「研究が実った勝利」もお読みいただけます！（６ページ）

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※本記事に掲載しました加藤女王、西山三段のワンショットは本誌には掲載されておりません。