将棋情報局

連勝賞にまつわる珍記録

先日、藤井聡太六段の年度四部門(対局数、勝数、勝率、連勝)独占の報がありました。
どれも素晴らしい記録と言うよりないのですが、特に圧巻だったのは連勝でしょう。デビューから負けなしで29連勝、歴代1位の大記録は、今後も永く語り継がれることと思います。
そして、連勝が止まった後も勝ちまくり、対局数、勝数、勝率を合わせた四冠を達成しました。
現在も連勝を続けていて、目下14連勝中。本日3月15日は、15連勝と、順位戦C級2組全勝を懸け対局中です。

本日は「将棋大賞連勝賞」についてのお話です。

「その年度に1勝も挙げていない連勝記録が将棋大賞連勝賞を獲得したことがある」

ちょっとややこしいですが、いったいどういうことでしょうか?

その記録を達成したのは

叡王戦決勝七番勝負に名乗りを上げた・・・

 

金井恒太六段です!

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では、記録を見てゆきましょう。

2007年4月、四段プロ入りした金井四段(当時)は、年の明けた2008年1月28日から連勝を開始します。

内容は以下の通り。

 

  • 2008/01/28 棋王戦予選 勝浦 修九段 ○
  • 2008/02/05 順位戦C2 小林 宏六段 ○
  • 2008/02/22 王将戦予選 岡崎 洋六段 ○
  • 2008/02/29 NHK予選 高野秀行五段 ○
  • 2008/02/29 NHK予選 神谷広志七段 ○
  • 2008/02/29 NHK予選 中村亮介四段 ○
  • 2008/03/04 順位戦C2 有吉道夫九段 ○
  • 2008/03/12 新人王本戦 横山泰明五段 ○
  • 2008/03/18 棋王戦予選 小倉久史七段 ○
  • 2008/03/27 竜王戦昇決 児玉孝一七段 ○
  • 2008/03/31 NHK本戦 村山慈明五段 ○

 

NHK杯戦予選での1日3勝荒稼ぎを含む11連勝、勝ちっぱなしで2007年度を終えたのです。

ちなみに、2007年度の連勝賞は13連勝で二人の棋士(佐々木慎、佐藤和俊)が受賞しています。

金井四段の記録がどれだけ伸びるか大いに期待が持たれましたが・・・年度の明けた2008年度の1局目の結果は・・・・

 

  • 2008/04/04 棋王戦予選 中田宏樹八段 ■

 

何と体調不良による不戦敗・・・連勝記録は11でストップしてしまいました。

 

ここで、将棋大賞の連勝賞についての規定を確認しましょう。
「連勝賞は、連勝がストップした年度の記録としてカウントされる」のです。
つまり、すべての勝ち星を2007年度に挙げた金井四段の連勝は、2008年度の記録となるわけです。

そして、2008年度は幸いにも(?)この記録を上回る連勝記録が出なかったのです!

かくして、その年度に挙げた勝星が1つもない連勝で連勝賞受賞という珍記録が生まれたのでした。

こういうことを、今は「持ってる」というのでしょうか。

持ってる男・金井恒太!

さて、大舞台ではどんな戦いを見せてくれるでしょうか。


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