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空中捕獲大作戦 衝撃手順の9手詰に絶賛の嵐

詰将棋書籍「信濃路」に掲載の100番の中から、第42番をご紹介します。
大技小技を駆使して広い玉を仕留める9手詰。「週刊将棋」2013年9月18日「新詰将棋探検隊」第12回からの抜粋記事です。

隊長  みなさんは玉の広さを意識したことはありますか?

隊員A どうしたんですか、急に。

隊員C いくらでもありますよ。詰まない玉を追いかけすぎて、安全地帯に逃げ込まれたりとか。

隊員B うんうん、よくある、それは。投了するとき結構悲しいよね。

隊長  私もよく…。いやいや、それは置いといて(笑)。今回は、一見広いように見える玉をうま~く捕獲する詰将棋を紹介します。

隊員A 空中捕獲術ですね。

隊長  おお、それタイトルにいただきました(笑)。

■遠隔操作の金

隊員C うわあ、入玉形だ。

隊員B 5六の飛車がある程度、玉を狭めているとはいえ、それでも逃げられそうな感じですね。

隊長  前局と同様に、玉を捕まえるには大駒の使い方が重要です。本局の場合、飛車の陰になっている3四の角を遊ばせたままにしてはいけません。

隊員A いつ、どこに飛車を開くかですね。

隊長  そういうこと。

【赤羽 守作 「詰将棋パラダイス」86年6月】  

赤羽 守作
▲7九桂△同銀不成(途中1図)

 

隊員B 初手▲9八金打△7八玉だと、▲5三飛成は△5六歩合で、また▲6六飛は△6七歩合で詰みません。初手▲7六角とするのも、△7八玉でうまく続きません。

隊長  そんなわけで、初手は「まずは桂を打ってみよ」の▲7九桂。

隊員C その格言、よく聞きますけどあてになるんですか?

隊長  割と当たってます。「とりあえずビール」みたいなもんです(笑)。

隊員C えー。なんだかなあ。

隊員A ▲7九桂に△7八玉は、▲5九飛△3四龍▲5六角以下。△7九同龍は、▲7六角△7八玉▲5八飛以下。角金の持駒を温存しているのが大きいんですね。

【途中1図は2手目△7九同銀不成まで】  

(途中1図以下の手順)
▲9八金△7八玉▲5九飛△3四龍(途中2図)

 

隊長  途中1図でどうするかが本局最大のポイント。

隊員B お、▲6九角はどうですか。△同龍なら▲9八金打△7八玉▲5八飛までです!

隊長  さすがと言いたいところだけど、▲6九角には△7八歩成とする手があって逃れです。正解は▲9八金! なんのヒモも付いてないタダ捨てです。

隊員C 出たーっ。▲9八金!

隊長  ▲9八金を△同玉と取るのは、▲9六飛と回る手があるのです。以下△9七桂合なら、▲7六角△8七歩合▲8九金まで。▲9六飛に△8七玉なら▲9七金~▲9八金です。

隊員A ▲9八金とはすごい手があるもんですね。

【途中2図は6手目△3四龍まで】  

▲8九角△同 玉▲8八金打
まで9手詰

隊長  最後は▲8九角と捨てて▲8八金打まで。5九の飛車が間接的に役立っています。

隊員B さっきの▲9八金の衝撃がすごくて、まだ放心状態です。紛れもかなり強力でしたから。

隊長  本作は「9手詰コンクール」への発表でしたが、解答者からは絶賛の嵐で、堂々1位になりました。

隊員C 一度でいいから絶賛されてみたいもんですね。

隊長  それが作家の夢ですよ。

【詰め上がり図は▲8八金打まで】  

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著者

角建逸(著者)