『藤井聡太の角換わり』棋書アンバサダーによるレビュー たろいも様|将棋情報局

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『藤井聡太の角換わり』棋書アンバサダーによるレビュー たろいも様

『藤井聡太の角換わり』棋書アンバサダーによる第一弾をお届けします!

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記念すべきレビュー第一弾は、たろいも様です。

執筆期間が2週間は取れるように締切日を設定していたのですが、ゲラを送付してから3日後にはレビューを送っていただきました。ありがとうございました。その熱が冷めないうちに、早速どうぞ。

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『藤井聡太の角換わり』棋書アンバサダーのたろいもと申します。

私は大人になってから本格的に将棋を始め、現在二段ほどの棋力です。
いろいろな戦型を渡り歩いてきましたが、現在は居飛車党で、相居飛車では角換わりや横歩取りをよく指します。

ただし角換わりでは旧型と言いますか、▲5八金型を採用しており、▲2五歩を保留して右の桂馬を▲2五桂と跳ねていくような将棋を好んでいます。

最新の角換わり(▲4八金・▲2九飛型)も指せるようになりたいとは思っており、マイナビ出版様から出ている評価の高い定跡書『現代角換わりのすべて』『斎藤慎太郎の角換わり腰掛け銀研究』『角換わり腰掛け銀の探求』を読もうと何度も試みたのですが、角換わりの複雑さ、難解さに挫折してしまいました。

そんな折、マイナビ出版様から『藤井聡太の角換わり』という新刊が発売される予定となっており、棋書アンバサダーを募集していると聞き、これは一念発起、集中して勉強してみようと思い立ち、棋書アンバサダーに応募した次第です。

『藤井聡太の角換わり』は、藤井聡太先生のデビューから八冠達成に至るまでに指された角換わりの代表局28局を集めた棋書となっております。ただしただの棋譜集ではなく、森内俊之先生による丁寧な解説が入っています。(井出先生の『四間飛車至上主義』と似た構成になっています。)

この棋書を読み進めるにあたり、まずは章末に載っている棋譜を一度並べてみることをお勧めします。

私は手を戻しやすいように、PCの将棋ソフトを使って並べましたが、そのあたりのやり方は読む人のやりやすいようにすればいいと思います。その後、本文の森内先生の解説を読み、変化を追っていくといいと思います。変化が長手順に渡るものがありますので、頭の中だけで読み進めるのは、高段の方でないと厳しいかと思います。特に中盤から終盤にかけてが丁寧に解説されています。


仕掛けのところで、もし別の指し方をした場合にどうなるのかといった変化手順が載っていますので、何度も並べているうちに自然と角換わりの手筋が身についていきます。こうした方がよかったという改善案も解説されていますので、実戦で似たような局面になった際に採用してみたいと思いました。

私は観る将でもあるので、懐かしいなと感じる棋譜がいくつもありました。藤井聡太先生ファンの方にとっては、デビューから八冠達成までを振り返れるいい書籍になっていると思います。また、藤井聡太先生の角換わりは、棋界全体の角換わりの研究に多大なる影響を与えていますから、要するに直近の角換わりの変容を知れる書籍となっていると言っても過言ではありません。藤井聡太先生のデビュー当時とは仕掛け方や後手の対応が大幅に変わっているのが見て取れて面白かったです。

最新の角換わりの棋譜集としても役立ちます。こちらもマイナビ出版様から出ている『角換わり戦記』という棋譜集がありますが、こちらは2021年までの棋譜集となっていますので、より新しい角換わりの棋譜を見たいという方にも、『藤井聡太の角換わり』をお勧めします。『藤井聡太の角換わり』は2023年の棋譜まで載っていますので、最新の角換わりの棋譜に触れることができます。

『藤井聡太の角換わり』は、一部角換わり早繰り銀の将棋も載っていますが、ほとんどの将棋が角換わり腰掛け銀となりますので、腰掛け銀を中心に勉強したい方に向いていると思います。

章末にポイントがまとまっており、角換わりを指す上で何を大事にすればいいかがひと目でわかるようになっています。大会前などに目を通すとよいと感じました。


一通り読み終えて、「角換わり、面白い!!」と改めて感じているところです。仕掛け方や手筋は本書でたくさん知れたので、もう一度、定跡書に戻ってみたいなとも思いました。また、回し者ではないのですが、最近発売された新刊『ひと目の現代角換わり』や、10月に『次の一手で覚える現代角換わり』という、次の一手形式の角換わりの書籍もありますので、あわせて解いてみたいです。

さて、具体的な棋譜への感想も書こうかと思ったのですが、記事が長くなってしまいますし、私以外の方のレビュー記事も出るでしょうから、私の方からはここまでとさせていただければと思います。最後までレビューをお読みいただきありがとうございました。また、このような機会をいただき、マイナビ出版様、ありがとうございました。 お得で気軽に参加できる将棋大会『第6回 将棋情報局最強戦オンライン』11月13日開催! エントリー受付中
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