2022.07.15
細かすぎて伝わらない!『令和4年版将棋年鑑』藤井聡太インタビューの微妙なニュアンスの補足 第2回
(1)パイナップルの期待値
(2)ばれてる
(3)一生懸命
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皆さんこんにちは。「私はあまりに深く星を愛しているがゆえに、夜を恐れたことはない」でおなじみの藤井竜王大好きおじさんです。島田です。
忘れたころにやってくる、細かすぎて伝わらないシリーズ。第2回の時間がやってまいりました。第1回がかなり気持ち悪い記事だったため、過半数の方が脱落してしまったのではないかと危惧しておりますが、読んでいただける方がいる限り、命燃え尽きるまで続けていきたいと思います。
では早速まいりましょう。第2回のMENUは以下の通りです。
今回も富士、鷹、なすびと取り揃えております。本記事を読んで良い夢を見ていただければ幸いです。
では、行きます!
(1)パイナップルの期待値
今回のトップバッターは「パイナップルの期待値」です。こちらはシンプルな質問シリーズの「好きなフルーツは?」という質問で現れたお話です。
以下のやり取りをご覧ください。
藤井先生がこのスピードで答えられたからには、きっと論理的な理由があるのだろうと思いましたが、案の定ありました(笑)
5回の試行があるとして85点を5回取るのと、3回は100点だけど2回は60点だとどっちが期待値が高くなるか、みたいな。
「パイナップルはハズレがないから好き」
果物の好みを期待値計算で決めていくあたり、藤井先生らしさを感じます。
考えてみると、将棋ソフトの出してくる評価値を人間的な勝ちやすさ(勝つ期待値)に変換する作業を常日頃行っている藤井先生なので、こういう確率論的な考え方は得意なのかもしれません。
・・・というのは、おそらく考えすぎでしょう(笑)

(2)ばれてる
今回も軽くジャブを放ったところで、ここから徐々に気持ち悪さのボルテージが上がっていきますのでご注意ください。次のテーマは「ばれてる」です。
これは毎度おなじみの會場担当の詰将棋コーナーで現れました。
まずは以下のやり取りをご覧ください。
(會場、わかるんかいワレ)と。
このヒントだけでわかったことに感心していると、さらに會場が畳みかけます。
この時の藤井先生の照れ笑いした顔が私の脳裏に焼き付いて離れません。
「先生、ばれてますよ」
「ふふふ、やっぱり會場さんには隠し事できないですね」
とでも言わんばかりのやり取り。藤井先生とより深いところでつながっている會場への嫉妬心を抑えることができませんでした(笑)
話を聞いてみると、藤井先生はテーマがハッキリしていて、そのテーマをなるべくシンプルな構図で見せるような詰将棋がお好きなようです。
女性の好みもそういう感じなんですかね。
・・・って、それどういう人?って感じですけど。
すいません、藤井先生の将来を心配する「お母さん島田」が現れてしまいました。
それにしても毎年のことながら、詰将棋の話をしている藤井先生はとても楽しそうでした。今回は詰将棋パートといいながらチェスプロブレムの話もたくさんしていただきました。詰将棋のチェスプロブレムの違いなど、かなり深いお話をしてくださいましたが、それは次回以降ということで。楽しみにしていてください。


(3)一生懸命
さて、楽しい時間は早く過ぎていくもの、気がつけば第2回も最後のテーマとなりました。ラストは「一生懸命」です。
これは将棋大賞名局賞を受賞した竜王戦七番勝負第4局についての質問で現れたもの。ちなみに私はこの将棋が大好きです。対局後のインタビューで藤井先生と豊島先生のお二人とも「もう少し続けたかった」と言ったことも含めて、大変ドラマチックな一つの物語だったと思っています。
厳密には少し苦しかったとのことですが、やはりあの99分の長考は藤井先生も印象に残っているようです。
そして、私が今回皆さんにお伝えしたいのはこのあとの藤井先生の言葉。
「一生懸命考えることができた」
このことに喜びを感じられるひたむきさがすごいです。
「一生懸命」という素朴な言葉が強い力をもって心に迫ってきて、話を聞きながら感動していました。
振り返って、自分自身何かに一生懸命取り組んでいるかと言われると、何一つできてないんですよね。
そして、もし一生懸命やったことがあったとしても、人前で堂々と「一生懸命できたことがよかった」なんてなかなか言えないです。
素直にそれを喜べるのは本当にすごいことだなと思いましたし、トップの先生がそういう姿勢を見せてくれるの、めっちゃかっこいいなと。
「やっぱり藤井先生は推せる」という気持ちを改めて強くした、2022年の夏でした。

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細かすぎて伝わらないシリーズ、第2回は以上で終了となります。
いかがでしたでしょうか?
少なくとも第3回、あわよくば第4回まで行ければと思ってますので
皆さん、穏やかな気持ちでお待ちいただければ幸いです。
それではまた次回、お会いしましょう!
(夢の第3回へ続く)
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忘れたころにやってくる、細かすぎて伝わらないシリーズ。第2回の時間がやってまいりました。第1回がかなり気持ち悪い記事だったため、過半数の方が脱落してしまったのではないかと危惧しておりますが、読んでいただける方がいる限り、命燃え尽きるまで続けていきたいと思います。
では早速まいりましょう。第2回のMENUは以下の通りです。
(1)パイナップルの期待値
(2)ばれてる
(3)一生懸命
(2)ばれてる
(3)一生懸命
今回も富士、鷹、なすびと取り揃えております。本記事を読んで良い夢を見ていただければ幸いです。
では、行きます!
(1)パイナップルの期待値
今回のトップバッターは「パイナップルの期待値」です。こちらはシンプルな質問シリーズの「好きなフルーツは?」という質問で現れたお話です。
以下のやり取りをご覧ください。
――では、好きなフルーツはどうでしょう?
「一つ挙げるならパイナップルです」
藤井先生がこのスピードで答えられたからには、きっと論理的な理由があるのだろうと思いましたが、案の定ありました(笑)
――理由はありますか?
「パイナップルはハズレがないので(笑)」
――なるほど。
「果物はどうしても味のばらつきがありますけど、パイナップルだけは常に美味しい(笑)。マンゴーも好きなんですけどモノによって味が違う印象があるので。その点パイナップルは安心感があります」
5回の試行があるとして85点を5回取るのと、3回は100点だけど2回は60点だとどっちが期待値が高くなるか、みたいな。
「パイナップルはハズレがないから好き」
果物の好みを期待値計算で決めていくあたり、藤井先生らしさを感じます。
考えてみると、将棋ソフトの出してくる評価値を人間的な勝ちやすさ(勝つ期待値)に変換する作業を常日頃行っている藤井先生なので、こういう確率論的な考え方は得意なのかもしれません。
・・・というのは、おそらく考えすぎでしょう(笑)
(2)ばれてる
今回も軽くジャブを放ったところで、ここから徐々に気持ち悪さのボルテージが上がっていきますのでご注意ください。次のテーマは「ばれてる」です。
これは毎度おなじみの會場担当の詰将棋コーナーで現れました。
まずは以下のやり取りをご覧ください。
――詰パラを毎月大学まで解かれていたら、あまり解かれてないという部類では普通はないと思うんですけど(笑)、昨年解かれた中で記憶に残ってる作品などあれば教えてください。
「ある、はずなんですけど……」
――断片的なヒントだけでも言っていただければわかるかもしれません。
「井上徹也さんの角が不成で一回転する……」
――あ、わかります。今年の作品ですね。
「そうです。無駄のない仕組みできれいにできていると思いました」
(會場、わかるんかいワレ)と。
このヒントだけでわかったことに感心していると、さらに會場が畳みかけます。
――あの作品は先生好みですね。
「そうですね。自分の好みが出ていますね(笑)」
この時の藤井先生の照れ笑いした顔が私の脳裏に焼き付いて離れません。
「先生、ばれてますよ」
「ふふふ、やっぱり會場さんには隠し事できないですね」
とでも言わんばかりのやり取り。藤井先生とより深いところでつながっている會場への嫉妬心を抑えることができませんでした(笑)
話を聞いてみると、藤井先生はテーマがハッキリしていて、そのテーマをなるべくシンプルな構図で見せるような詰将棋がお好きなようです。
女性の好みもそういう感じなんですかね。
・・・って、それどういう人?って感じですけど。
すいません、藤井先生の将来を心配する「お母さん島田」が現れてしまいました。
それにしても毎年のことながら、詰将棋の話をしている藤井先生はとても楽しそうでした。今回は詰将棋パートといいながらチェスプロブレムの話もたくさんしていただきました。詰将棋のチェスプロブレムの違いなど、かなり深いお話をしてくださいましたが、それは次回以降ということで。楽しみにしていてください。
(3)一生懸命
さて、楽しい時間は早く過ぎていくもの、気がつけば第2回も最後のテーマとなりました。ラストは「一生懸命」です。
これは将棋大賞名局賞を受賞した竜王戦七番勝負第4局についての質問で現れたもの。ちなみに私はこの将棋が大好きです。対局後のインタビューで藤井先生と豊島先生のお二人とも「もう少し続けたかった」と言ったことも含めて、大変ドラマチックな一つの物語だったと思っています。
――竜王戦第4局は名局賞に選ばれる素晴らしい一局でした。改めてこの一局の感想を教えてください。
「序盤でリードしたのを飛ばしてしまっているので、そこは反省点ではあるんですけど、そこから終盤は非常に難解な局面になりました。厳密にはこちらが少し苦しかったと思うんですけど、終盤であれだけ難しい局面になったというのは自分にとっても印象に残っています」
厳密には少し苦しかったとのことですが、やはりあの99分の長考は藤井先生も印象に残っているようです。
そして、私が今回皆さんにお伝えしたいのはこのあとの藤井先生の言葉。
「竜王戦という非常に大きな舞台で、一生懸命考えることができたのはすごくいい経験になりました」
・・・インタビュー中に思わず涙がぶわっと溢れそうになりました。「一生懸命考えることができた」
このことに喜びを感じられるひたむきさがすごいです。
「一生懸命」という素朴な言葉が強い力をもって心に迫ってきて、話を聞きながら感動していました。
振り返って、自分自身何かに一生懸命取り組んでいるかと言われると、何一つできてないんですよね。
そして、もし一生懸命やったことがあったとしても、人前で堂々と「一生懸命できたことがよかった」なんてなかなか言えないです。
素直にそれを喜べるのは本当にすごいことだなと思いましたし、トップの先生がそういう姿勢を見せてくれるの、めっちゃかっこいいなと。
「やっぱり藤井先生は推せる」という気持ちを改めて強くした、2022年の夏でした。
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細かすぎて伝わらないシリーズ、第2回は以上で終了となります。
いかがでしたでしょうか?
少なくとも第3回、あわよくば第4回まで行ければと思ってますので
皆さん、穏やかな気持ちでお待ちいただければ幸いです。
それではまた次回、お会いしましょう!
(夢の第3回へ続く)
限定記事や限定動画など特典が盛り沢山!将棋情報局ゴールドメンバーご入会はこちらから
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