里見女流四冠が準決勝へ 第91期棋聖戦一次予選|将棋情報局

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里見女流四冠が準決勝へ 第91期棋聖戦一次予選

出口四段、浦野八段を連破!

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5月24日、第91期ヒューリック杯棋聖戦一次予選で里見香奈女流四冠が準決勝に進出しました。

一次予選は持ち時間各1時間で行われ、この日は1回戦2局とその勝者同士による2回戦が行われました。

10時から開始された1回戦、里見女流四冠の相手は今年4月にプロになったばかりの出口若武四段。まだ三段だった昨年度、第49期新人王戦決勝三番勝負で藤井聡太七段と優勝を争った棋士です。

対局は先手里見女流四冠の三間飛車に出口四段が居飛車穴熊で対抗しました。里見女流四冠が飛車を捨てる思い切った攻めを見せるも、攻め駒が少なく成功するかどうかはギリギリのところ。逆に駒を豊富に蓄えた出口四段が最終盤、頃合い良しと見て反撃を仕掛けました。正確に攻めれば出口四段が勝ちになったようですが疑問手が出て、それを見逃さなかった里見女流四冠が最後は相手玉を即詰みに討ち取りました。

14時から開始された2回戦の相手は、午前の対局でこちらも今年4月プロデビューの新鋭・黒田尭之四段を破ったベテラン、浦野真彦八段。またも先手となった里見女流四冠は今度は中飛車を選択し、浦野八段は出口四段同様居飛車穴熊、それも金銀4枚を密集させた「銀冠穴熊」という無類の堅さを誇る布陣を敷きました。

里見女流四冠も玉を金銀4枚の城に納め、繊細な指し手で細かくポイントを稼いでゆき、やがてリードを奪います。対する浦野八段は辛抱を重ねカウンター狙い。しかし優位を拡大した里見女流四冠は以降も慎重に指し進め、最後は自身の玉の安全度を見極めて相手の堅陣を攻略しました。

2018年3月に奨励会を退会した里見女流四冠。女性初のプロ四段昇段の夢は実現しませんでしたが、2018年度より女流枠での一般棋戦への出場が可能になりました(※女性奨励会員は女流枠で一般棋戦に出場できない)。2018年度から本日までの対男性棋士との対戦成績は画像の通り9勝10敗。堂々たるものとなっています。


2018年度からの里見女流四冠対男性棋士戦績

日本将棋連盟には「プロ編入試験」の制度があり、「現在のプロ公式戦において、最も良いところから見て10勝以上、なおかつ6割5分以上の成績を収めたアマチュア・女流棋士」は試験を受けることが可能となっています。里見女流四冠は奨励会退会後、この制度を利用しないと公言していますが、「10勝以上、6割5分以上」は10勝で達成するなら10勝5敗、24日の勝ち星2つを差し引けば8勝5敗です。勝てば勝った分強い相手、好調な相手と当たりますので簡単ではありませんが、今より少し白星側に星が片寄れば女性初の有資格者になることも夢ではありません。

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