2019.05.23
羽生九段がベスト8 好相性の王座戦で100期へ前進
若手有望株近藤六段に勝利
斎藤慎太郎王座への挑戦権を争う第67期王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦の羽生善治九段―近藤誠也六段戦が5月20日、東京・将棋会館で行われ、羽生九段が勝利を収めました。
羽生九段が現在タイトル通算獲得数が99期となっていることはご存じの通りですが、その約4分の1を占めているのが「王座」です。永世七冠に棋戦との相性などあろうはずもありませんが、あえて言えば「好相性」の本棋戦での戦いぶりを簡単に振り返ってみましょう。
羽生九段は1992年度の第40期五番勝負で福崎文吾王座(※当時)を3―0で破って王座を獲得すると、何と2010年度の58期まで防衛し続け、19連覇を達成しています。特に2005年度の第53期から2010年度の第58期までは6連続ストレート(3―0)防衛、第52期の決着局の勝ち星1つを加え、専門誌には「19連覇&19連勝」の文字が踊りました。
2011年度の第59期で挑戦者の渡辺明竜王(※当時)に0―3で敗れ一度は王座を明け渡しましたが、翌第60期に挑戦権を獲得、渡辺王座を3―1で破って返り咲きを果たします。決着局となった第4局は千日手により指し直しが行われましたが、千日手局で現れた妙手、相手の歩の利きに打った△6六銀はファンに強烈な印象を残しました。
返り咲き以降、2016年度の第64期まで5連覇を果たし、通算獲得期は24期に達しています。これは棋界における同一タイトル通算獲得の歴代1位の記録。もちろん、同一タイトル連続獲得19期も断トツで歴代1位です(※2位は大山康晴十五世名人の名人13期)。
そして今期、20日の勝利で挑戦者決定トーナメントベスト8に進出した羽生九段。トーナメント表(画像)を見ますと、2回戦は藤井聡太七段対佐々木大地五段の勝者との戦いとなります。それに勝っての準決勝は、豊島将之名人(三冠)と渡辺二冠、「計五冠のブロック」を制した棋士と。そして右側8人のブロックも強烈極まりないメンバーとなっていますので、挑戦権獲得までの道のりは決して平坦ではありません。しかし羽生九段は、これまで幾度となくファンの期待の上をゆく活躍を見せてきた棋士。「タイトル100期」が見たい! というファンの願いを叶えるべく、まずは五番勝負出場を目指します。
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