「人狼知能」って何?|Tech Book Zone Manatee

マナティ

「人狼知能」って何?

人狼ゲーム」は、自分の正体がばれないようにほかのプレイヤーと話し合いながら、村に紛れ込んだ人食い人狼を探りつつ、村人チームと人狼チームで生き残りを競うゲームです。ポイントは、騙す、嘘を見抜く、説得するといった心理的な駆け引きと、限られた情報から自分の置かれた状況や相手の正体を推測するといった思考能力です。書籍『人狼知能で学ぶAIプログラミング 欺瞞・推理・会話で不完全情報ゲームを戦う人工知能の作り方』では、AI同士で人狼ゲームを行う「人狼知能」のエージェントプログラム作成を通して、機械学習や自然言語処理などを含んだAIプログラミングを学んでいきます。8月に開催される「人狼知能大会」の情報とあわせて、本書の魅力を伝えていきましょう。

鳥海不二夫 東京大学大学院工学系研究科准教授。博士(工学)。2004年東京工業大学大学院理工学研究科機械制御システム工学専攻博士課程修了。名古屋大学情報科学研究科助教を経て、現職。エージェントベースシミュレーション、ソーシャルメディア、計算社会科学などの研究に従事。人狼知能プロジェクト代表。人狼ゲームを研究すれば仕事中に人狼ゲームをやり放題だと思って始めたら、学生が一緒に遊んでくれなかったため、泣きながら人狼知能大会のプラットフォームをコーディングする毎日を送っている。


大槻恭士 山形大学学術研究院准教授。博士(工学)。1993年東北大学大学院工学研究科情報工学専攻博士課程修了。統計的言語モデル、音声情報処理、知能ロボティクスなどの研究に従事。人狼知能プロジェクトではプラットフォーム開発を担当。ほかにAIWolf.NET(.NET 版人狼知能プラットフォーム)の開発も手がける。趣味は3 匹の愛猫たちとまったりすること。


狩野芳伸 静岡大学情報学部行動情報学科准教授。博士(情報理工学)。2001年東京大学理学部物理学科卒業、2007年同大学院情報理工学系研究科博士課程単位取得退学。東京大学大学院情報理工学系研究科特任研究員、科学技術振興機構さきがけ研究者などを経て、2014年より現職。大学入試の自動解答(ロボットは東大に入れるか)、電子カルテの処理と自動診断支援、文生成などの応用研究と、人狼知能プロジェクトなどの対話システムの構築を、人間により近いシステムという観点から自然言語処理の研究として進めている。