ユーザーの特徴を分析する際に、性別や年齢などのデータがあれば属性に分けて特徴を調べられます。
デモグラフィックなデータが存在しない場合は、ユーザーのアクションで属性を定義できます。属性を与えることで、各属性の特徴を分析して、よりサービスの利用を推し進めるため、属性に適した施策を検討することが可能になります。
本項では、ユーザーの購入金額に応じてランク分けして、重要度を把握するレポートを作成します。デシル分析の手順は以下の通りです。
1 ユーザーを購入金額の多い順番に並べ替える。
2 並び替えたユーザーの上位から10%ずつデシル1 からデシル10 までのグループに割り当てる。
3 各グループの購入金額の合計を集計する。
4 全体の購入金額に対して、各デシルでの購入金額の割合(構成比)を計算する。
5 上位から累積でどの程度の比率を占めるかの構成比累計を集計する。
上記の手順に従い、下表のレポートを作成するためのSQLをコード例に示します。
最初にユーザーを購入金額が多い順に並べ替え、並び替えたユーザーの上位から10%ずつデシル1からデシル10までのグループに割り当てます。等間隔にデータをグルーピングするには、NTILEウィンドウ関数を使用します。
次のステップ 続いて、各グループの合計・平均購入金額と、累計の購入金額、全体の購入金額などの集約を計算します。GROUP BYでデシルごとに集約し、集約関数とウィンドウ関数を組み合わせて、一度にこれらの値を計算できます。
次のステップ 最後に、構成比と構成比累計を計算します。
ワンポイント
本項で紹介したデシル分析を行った上で、各デシルの特徴を他の分析手法で細かく調査して傾向を見出すと、より詳細なユーザー像を把握できます。
例えば、デシル7~10はまだ定着していないカスタマーなので、メルマガでリテンションを高めるなどの施策で成長を促すなど、高い精度の施策を計画立案する際に役立ちます。また、既存のメルマガ配信ツールと絡めて、デシル7~10に対して送信することが可能になると、よりデータが活用されていくことになるでしょう。