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入門 暗号通貨

第7回 Altcoin -前編-

暗号通貨には様々な仮想通貨が存在します。AltcoinとはBitcoinの代替となる仮想通貨のことです。主にBitcoinとどのようなところを差別化したのかを見てみます。

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Altcoinとは

暗号通貨には様々な仮想通貨が存在します。Altcoin(アルトコイン・オルトコイン、Alternative Coinの略)はBitcoinの代替となる仮想通貨のことです。 Altcoinが存在するその理由として一番大きいのは、Bitcoinがオープンソースであるということでしょう。Bitcoinはしくみも全て公開してありますから、これを応用したものが多く出てきているのです。

Bitcoinのコードをほぼ変えてないようなコインも多々ありますが、魅力的な性能を備えたコインもあります。これらの多くは独自のチェーンで動いています。ちなみにBitcoinの機能を拡張するトークン(チケットのようなもの)を発行、開発をしているAltcoinプロジェクトも存在します。 ここではとりあえず独自チェーンの場合、主にBitcoinとどのようなところを差別化したのかを見てみます。

コンセンサスアルゴリズム

Bitcoinにおいては、Proof of Work(PoW)というコンセンサスアルゴリズムを使用しています。アルゴリズム(ハッシュ関数など)はSHA256を使用しています。 コンセンサスアルゴリズムには、現在私が認識している中でも以下のものがあります。

Proof of Work(PoW)

Proof of Workの直訳は「仕事量による証明」で、Bitcoinで使われているコンセンサスアルゴリズムです。アルゴリズム(ハッシュ関数など)としてSHA256を使用しています。

BitcoinではこのSHA256でマイニングしやすいように最適化、専用ハードウェア(ASIC)化が進みました。このASIC化が進んだことにより一般的なPCでは太刀打ちができなくなり、一般の人が気軽に参加できないようになりました。それを打破するため、EthereumのEthashやMoneroのCryptoNightなどの、ASIC化しづらいアルゴリズムを採用するコインが出てきました。 ただプール(連載の第3回参照)を使うのが一般的というのは変わってません。 また、過半数の演算力を使って行う51%攻撃(第3回参照)も欠点の1つとして懸念されます。

Proof of Stake(PoS)

Proof of Stakeとは簡単に言えば、ブロックを生成できる確率がコインの持ち分の多さに比例するコインです。イメージとしてはコインを持つ人が投票をしているイメージです。これによりマイニングによる電力の消費や、51%攻撃が困難(コインを51%も集約するのは不可能?)といったメリットがあります。

問題点としては次のものがあります。

1. コインの溜め込み

持ち分が多い方が有利なため、コインの溜め込みが起こりやすいことがあります。それにより、取引が活発ではなくなるという欠点があります。対策としては古い持ち分のコインの評価額を下げる(Proof of Stake Velocity)といった方法が採用されているコインもあります。

2. 何も賭けていない問題(Nothing at Stake)

これには2つの問題点が挙げられます。 1つは、故意にチェーンが分岐した場合、参加者がチェーンを再び1つにするインセンティブがないという点です。2つに分岐した時にブロック生成者は、どれか1つのチェーンではなく、複数の分岐したチェーンを承認する方がよいと考えてしまいます。失うものがないからです。

もう1つは、システム開始者や持ち分が過半数だった人は、そこからやり直せてしまうという点です。 何も賭けていない問題(Nothing at Stake)への対策としては、ブロックの再生成をができるブロック数を決め、そのブロック数が過ぎたら一切変えられないようにするような対策や、デポジット(賭け金)をとるという対策方法などが挙げられます。

3. 低コスト51%攻撃

順序としては以下の通りです。

 ・コインの過半数を十分に取得できる量の資金を用意し、コインに対して攻撃を仕掛けることを表明する。
 ・正常にネットワークが動かなくなってしまうとの見方が広がり、コインの価格が暴落する。

これにより、あまりお金をかけずにコインの過半数を取得することができるといったものです。

Delegated Proof of Stake(DPoS)

Delegated Proof of StakeはProof of Stakeを改良したコンセンサスアルゴリズムです。簡単に言えば、PoSが直接民主制のようなシステムであるのに対して、DPoSは間接民主制のようなシステムです。コインの保有者が投票して、複数の承認者を決めます。そしてこの承認者がブロックを生成します。限られた人で承認を行うので承認のスピードが早いと言ったメリットがあります。

Proof of Importance(PoI)

Proof of ImportanceもProof of Stakeを改良したアルゴリズムです。Proof of Stakeはアカウントの残高のみを考慮していましたが、Proof of Importanceはアカウントの残高に加えて多くの取引を行なっていることなども考慮に入れ、ネットワークにおける「重要度」を割り出します。「重要度」の割り出し方は複雑です。そしてその重要度の高ければ高いほどアカウントがブロックを生成できる確率が高くなります。NEMのコアチームが生み出し、NEMという暗号通貨のみが実装しています。

発行枚数

発行枚数については、上限を定めないタイプもあり本当に様々です。ですが多くのコインで、初期に参入していた人が有利なように設計されています。

ブロック生成間隔

ブロック生成時間もいろいろですが、Bitcoinのブロック生成時間目安である10分を下回っている暗号通貨がほとんどです。私の感触だと、2 - 3分程度って感じです。

その他の機能

主に以下のものがあると思います。

 ・スマートコントラクト
 ・トランザクションの秘匿
 ・トークンの発行
 ・DEX(分散型取引所)
 ・メッセージの送信

もちろんこれ以外にもありますがそれは実際にプロジェクトを紹介する際に取り上げていきます。

「第8回 Altcoin -中編-」に続きます。

著者プロフィール

うどん(著者)
Mt.Goxの件からBitcoinに気づき、興味を持つように。その後、そのほかの暗号通貨にも手を出すようになる。Twitterやブログなどで情報発信中。
ブログ:http://udon-cryptocurrency.hatenablog.com/
Twitter ID:@udon_crypto
Bitcoin Address:1Mmr1ff9bYTFzjDx5hgDNijsVh6B88iuV3