合格講座:第9回「テクノロジ系 システムの性能指標と稼働率」|Tech Book Zone Manatee

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熱血!藤井講師の基本情報技術者試験 合格講座

合格講座:第9回「テクノロジ系 システムの性能指標と稼働率」

2016年(平成28年)秋の[基本情報技術者試験]に合格するための重要ポイント「システムの性能指標と稼働率分野への対応と攻略」について解説します。

システムの性能指標と稼働率分野への対応と攻略ポイント

情報システムを継続的に安定して運用するために必要となる信頼性や性能評価の具体的方法、稼働率の計算問題や、その他ベンチマークに関連する各種キーワードなどが問われています。

本試験出題例

基本情報技術者 平成28年春期問題 午前:問15
※リンク先はIPAサイトの過去問(PDFファイル)になります。

システムの稼働率に関する記述のうち,適切なものはどれか。
 MTBFが異なってもMTTRが等しければ,システムの稼働率は等しい。
 MTBFとMTTRの和が等しければ,システムの稼働率は等しい。
 MTBFを変えずにMTTRを短くできれば,システムの稼働率は向上する。
 MTTRが変わらずMTBFが長くなれば,システムの稼働率は低下する。

システムの信頼性~5つの指標RASIS

私たちの身の回りにはコンピュータを組み込んだ機器が溢れかえっています。RASISとは情報システムの信頼性の高さを測る指標であり、次の5つの観点から多角的に信頼性の尺度として用いられます。

システムの稼働率信頼性の計算

システムの信頼性を具体的な数値によって評価する指標がRASISに含まれる稼働率(Availability)です。稼働率は一定期間内におけるシステムが問題なく作動する時間を比率で表現し、MTBF及びMTTRによって算出します。

●MTBF(Mean Time Between Failure・平均故障間隔)
 …稼働時間の平均 システムや機器が故障するまでの平均時間。故障修理から回復し、次に故障するまでの平均時間

●MTTR(Mean Time To Repair・平均修理時間)
 …非稼働時間の平均 故障したシステムや機器が修理によって回復するまでに要する時間の平均

●稼働率…全運用時間に占める正常に稼働している時間の割合

2つの構成要素からなるシステムの稼働率

システムや機器が1台のみの場合は上記の計算式で算出できますが、2つのシステムや機器が接続された構成全体としての稼働率を求める方法は以下のとおりです。

「複数のシステムが接続されている場合の計算」

本試験においてシステムの稼働率の出題は定番ですが、用語の定義や直列及び並列システムが混在する場合の計算問題、また複数システムの稼働率の比較など、本テーマに関する基礎知識が総合的に問われる傾向があります。

解答と解説

正解:

稼働率を算出する計算式より、MTBFが長くなったりMTTRが短くなれば、稼働率は高くなります。

著者プロフィール

藤井淳夫(著者)
事務官として防衛庁に入庁し、システム開発及びシステム管理業務に従事。1998年に独立、IT系社会保険労務士としてITコンサルティング、ITを駆使した人事労務管理及び情報処理技術者育成事業を展開する。大学・企業等における講義講演時間数が1万時間を超える「カリスマ講師」。著書多数。
ホームページ:http://www.ilovepc.jp