合格講座:第5回「ストラテジ系 知的財産権」|Tech Book Zone Manatee

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熱血!藤井講師の基本情報技術者試験 合格講座

合格講座:第5回「ストラテジ系 知的財産権」

2016年(平成28年)秋の[基本情報技術者試験]に合格するための重要ポイント「知的財産権分野への対応と攻略」について解説します。

知的財産権分野への対応と攻略ポイント

知的財産権を構成する権利の種類は多くありますが、特に出題可能性の高い著作権について優先して学習すると得点力の確保に効率的です。情報システムについて著作権法がどのように関連しているかという視点から、権利の帰属(法人・個人・派遣・請負のケースなど)と適用(データベースは対象に含まれるか、官庁関係のWebサイトは無断で使用してもよいかなど)、違法コピー問題など幅広く出題されることが予想されます。

本試験出題例

基本情報技術者 平成24年春期問題 午前:問79
※リンク先はIPAサイトの過去問(PDFファイル)になります。

事業者の取り扱う商品やサービスを,他者の商品やサービスと区別するための文字,図形,記号など(識別標識) を保護する法律はどれか。

意匠法   商標法   特許法   著作権法

解答・解説はこちら

●知的財産権(知的所有権)

人間の幅広い知的創造活動について、その創作者に独占的に利用できる権利を与えるものを「知的財産権」(知的所有権)といいます。これにはいくつかの種類があり概要は次のとおりです。なお、特許権、実用新案権、意匠権、商標権を「産業財産権」と総称します。

●著作権の基礎知識

知的財産権の中でも特に著作権法について詳細な知識が必要とされます。いうまでもなくソフトウェアは著作物であり、著作権法によってその権利は保護されます。また、著作権は次のように著作者人格権と著作者財産権から構成されています。本試験では以下のポイントについて問われやすいので、正確に理解しておきましょう。

●システム開発~社員以外の外部関係者の場合

システム開発においては、請負業者や派遣されてきたプログラマなど社員以外の外部関係者が開発に関与するケースも多々あります。こうした場合について、試験対策上、ソフトウェア制作の場合の著作権の帰属先を判断できるようにするため、次の2つの知識を覚えておきましょう。

[派遣労働者の場合] 労働者派遣法に基づいて合法的に派遣された派遣労働者は、派遣元企業(派遣会社)との雇用関係を有すると同時に、派遣先企業において派遣先事業主の指揮命令を受けて労働に従事するものであることから、派遣労働者も本来の社員に準ずることになります。

[外部委託の場合] 請負や委託などの民法上の契約に基づいて外部のシステム開発請負業者が開発したシステムの場合は、特段の契約が無いかぎり、開発を請け負った業者側に著作権が帰属します。

解答と解説

正解:

産業財産権には、特許権、実用新案権、意匠権、商標権の四つがありますが、知的財産権として総称する場合、さらに著作権、不正競争防止法関連の営業秘密や権利、回路配置権などを含みます。

このうち商標法は、他の商品やサービスと区別するための識別標識を保護する法律であり、商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り,もって産業の発達に寄与し、合わせて需要者の利益を保護することを目的としています。なお、商標とは、文字、図形、記号もしくは立体的形状もしくはこれらの結合またはこれらと色彩との結合とされています。

●著作権の基礎知識

著者プロフィール

藤井淳夫(著者)
事務官として防衛庁に入庁し、システム開発及びシステム管理業務に従事。1998年に独立、IT系社会保険労務士としてITコンサルティング、ITを駆使した人事労務管理及び情報処理技術者育成事業を展開する。大学・企業等における講義講演時間数が1万時間を超える「カリスマ講師」。著書多数。
ホームページ:http://www.ilovepc.jp