合格講座:第4回「経営戦略マネジメント分野」|Tech Book Zone Manatee

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熱血!藤井講師の基本情報技術者試験 合格講座

合格講座:第4回「経営戦略マネジメント分野」

2016年(平成28年)秋の[基本情報技術者試験]に合格するための重要ポイント「経営戦略マネジメント分野への対応と攻略」について解説します。

経営戦略マネジメント分野への対応と攻略ポイント

キーワードの意味を問う形式の出題が予想されます。本項目およびテキストを熟読し、正確な理解と記憶で対処しましょう。またPPMでは特定の商品がポートフォリオ図のどこに位置づけられるかが問われる出題なども考えられます。

[本試験出題例!]

基本情報技術者 平成28年春期問題 午前:問69
※リンク先はIPAサイトの過去問(PDFファイル)になります。

図に示すマトリックスを用いたポートフォリオマネジメントによって,事業計画や競争優位性の分析を行う目的はどれか。

 目標として設定したプロモーション効果を測定するために,自ら置かれた立場を評価する。
 目標を設定し,資源配分の優先順位を設定するための基礎として,自らの置かれた立場を評価する。
 目標を設定し,製品の品質を高めることによって,市場での優位性を維持する方策を評価する。
 目標を設定するために,季節変動要因や地位的広がりを加味することによって,市場の変化を評価する。

解答・解説はこちら

[合格への攻略ポイント!]頻出テーマ「ポートフォリオ分析」

 製品展開上のビジネス戦略を決定するための検討材料として商品の市場における競争力の分析をする場合の有力な手法にPPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)があります。これはポートフォリオ戦略の代表的な戦略モデルで、市場占有率(マーケットシェア)の高低と、市場成長率の高低を組み合わせることで以下の4種類に分類し、マトリクス上に自社の製品を位置づけて市場における戦略的な分析を行います。

花形製品:市場成長率が高く継続的な投資が必要で大きな利益は生み出しにくいが、市場占有率が高いので、中長期的には金のなる木への移行が期待できる製品

金のなる木:市場成長率が低いために積極的な投資は必要なく、マーケットシェアが高いことから、確実な売り上げによって安定的に利益を生み出している製品

問題児:マーケットシェアが低く、現在の売り上げは大きくないが、市場成長率が高いことから、今後の投資次第では利益の拡大が望める製品

負け犬:市場成長率が低く、またマーケットシェアも低いことから、今後も新たな投資を行うことが難しく、適切なタイミングで供給の終了を検討すべき製品

経営戦略キーワード

そのほか、出題可能性の高い経営戦略に関するキーワードを紹介していきましょう。

BPR 企業がビジネス展開していく上で特定の目標がある場合、その達成のために現在の組織形態や業務の処理内容などを総合的にチェックし、ムダのない効率的なものに再構築することをBPR(Business Process Reengineering:ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)という。実現のために情報システムの導入や改善が実施されることが多い。

ベストプラクティス分析 企業がかかえる課題や問題解決のために、既に実績のある他社における優れた方策(ベストプラクティス・優良事例)を分析し、自社の問題解決に役立てる手法。

ベンチマーキング ベストプラクティス分析によって得られた方策を自社の現状と対比させ、その実現化のために経営改革を推進する管理手法。客観的な数量的課題を設定することで具体的な達成目標を社員に与えてモラール(職業意欲)の向上を目指す。

コアコンピタンス 業界内でも比較的優位にある事業・商品、技術、ノウハウを保有する自社の中核的存在となっている部門。

情報戦略キーワード

組織が保有する最大の資産価値である情報を有効活用するための、代表的技法に関するキーワードです。

SCM 資材の受発注から在庫管理、配送にいたるまでの物流を総合的に管理する手法をSCM(Supply Chain Management:サプライ・チェーン・マネジメント)という。複数の部門や企業間における調達・生産・販売の「供給の鎖」全般を通じて情報の共有を実現することでコスト削減と収益力の増加を図る。

CRM 顧客の購買パターン・クレームの履歴、趣味や嗜好などの総合的な顧客情報を集積したデータベースを全社で共有して、きめ細かなサービスを提供することで顧客満足度を向上させ、収益力の増加を実現する手法をCRM(Customer Relationship Management:カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)という。

ERP 企業活動の重点を部門別に管理する従来のやりかただと企業が保有する人材や各種情報などの有益な資源が分散されてしまう。これを見直し、全社で統合的に管理し企業経営の効率化を実現するための戦略をERP(Enterprise Resource Planning:エンタープライズ・リソース・プランニング、経営資源利用計画)と呼ぶ。ERPを実現するためのソフトウェアは、ERPパッケージ(統合業務パッケージ)と呼ばれる。

解答と解説

正解:

ポートフォリオマネジメント(PPM)は、事業や製品の組合せ、業界内における位置付けを分析し,最適な経営資源の配分を決定する材料を提供する分析手法です。自社のポジションを評価するとともに,事業の成長に向けて市場における事業の位置付けを分析します。

著者プロフィール

藤井淳夫(著者)
事務官として防衛庁に入庁し、システム開発及びシステム管理業務に従事。1998年に独立、IT系社会保険労務士としてITコンサルティング、ITを駆使した人事労務管理及び情報処理技術者育成事業を展開する。大学・企業等における講義講演時間数が1万時間を超える「カリスマ講師」。著書多数。
ホームページ:http://www.ilovepc.jp