2017.12.20
「メモ」の基本、トラブルシューティング、役立つTIPSや、合わせて使いたいソフトなどを丁寧に解説します。
使う人の分だけ使い方がある自由なソフト
macOS標準の「メモ」、使っていますか? 「カレンダー」や「連絡先」などの標準ソフトは、どれを見てもパーソナルユースが基本といえますが、十人いたら十とおりの使い方ができる「メモ」は、とりわけ個人の特徴が色濃く反映されるソフトだといえるでしょう。
カレンダーなら今後の予定、連絡先なら友人知人の電話番号やメールアドレスと、個別の内容は違えども用途は概ね決まっています。ところが、「メモ」についてはどうでしょう。ある人は備忘録に、ある人はブログの下書きに使うかもしれません。またある人はあとで読みたいWEBページのリンク集を作り、ある人は取材メモがわりに撮った写真や録音データを「メモ」に共有…などなど、用途も使い方も千差万別です。
どれが正解ということはありません。ひとついえるのは、「メモ」がとても自由なソフトだということ。この後のページでは、「メモ」の機能を一とおり紹介しますが、どんな用途に使うかは自分次第。そんなソフトなのです。
iOSデバイスとの連携でその真価を発揮
「メモ」の自由度の高さは、iOSデバイスの存在によるところが少なくありません。Macで入力したメモをそのままiPhoneで持ち歩き、必要なときに然るべき場所で取り出せるわけです。いまでこそ、ハンドオフ(Handoff)などの機能が当たり前に利用できるようになりましたが、「メモ」の同期が実現したのは、アイクラウド(iCloud)誕生前の2009年。通常のメモとしてはもちろんのこと、MacとiOSデバイス間のクリップボード代わりに重宝しました。
そして、当時の面影を忘れるほどの進化を遂げたのが、OS Xエル・キャピタンとiOS 9がリリースされた2015年のことでした。チェックリストや手描きメモ(iOS版)、ファイル添付機能の強化といった新機能に加え、インターフェイスも一新した「メモ」は、その後もパスワードロックやほかのユーザとの共有など時代に即した機能を追加しながら、競合ソフトと肩を並べるまでに成長しました。また、macOSの「テキストエディット」に代わる標準アプリが存在しないiOSでは、「メモ」がテキストエディタの役目を担う一方で、スマートフォンならではの独自機能を備えている点も見逃せません。
その進化の過程で、注意したいのが各OS間の互換性です。とくに、大きなバージョンアップがあったエル・キャピタンとiOS 9以前からのユーザで、「メモ」のアップグレードをしていない場合は、「メモ」を起動して確認しましょう。また、MacとiOSのいずれかのバージョンが古いと最新機能が使えなかったり同期できなかったりすることがあります。これを回避するには、すべてのデバイスを最新バージョンにアップデートしておくことが重要です。準備が整ったら、早速「メモ」を始めましょう。
これだけは知っておきたいコトバ
[同期]
複数のデバイス間で特定の情報を同じ状態に状態に保つこと。主にクラウドを利用します。本記事では特に記載がない場合、アイクラウドでの同期を指します。
[ピン留め]
特定の項目を常に一定の場所からアクセスできるようにする機能で、メモなどをピンで留める状態をイメージしています。macOSでは、「メモ」や「サファリ」で「ピンで固定」する機能が用意されています。
[アカウント]
ここでは、アイクラウドやグーグル(Google)、ヤフー(Yahoo!)など「メモ」で使用できるインターネットアカウントを指します。なお、「メモ」では複数のアカウントの併用も可能です。
[ファイルブラウザ]
「メモ」で、添付ファイルを種別ごとに一覧表示する機能で、主に特定のファイルやメモを探す際に利用します。サムネイルをダブルクリックすると、そのファイルが開きます。
【基本1】「メモ」の各部名称と基本操作をチェックしよう!