2017.10.11
「TUNEWEAR ALMIGHTY DOCK TB2」はUSB-C搭載のMacBook Proのインターフェイスを拡張するドックです。
高級感と安定感を両立
最新のMacBookプロの端子がUSBタイプC（サンダーボルト3）コネクタに統一されたとき、久々に「アップルらしい思い切った未来志向」を感じ、大きな興奮を覚えました。しかし、実際のところ、まださまざまな端子類を併用しなければならないのが現実。変換アダプタは、MacBookユーザにとって必携のアイテムとなっています。各社からいくつかの製品がリリースされていますが、その中でも異彩をはなっているのが、チューンウェア（TUNEWEAR）の「オールマイティ・ドックTB2（ALMIGHTY DOCK TB2）」です。
MacBookプロと完全に一体化するように設計されており、文字どおり本体をそのまま拡張したように使えます。2つのポートを使って接続するため安定感があり、アルミ削り出しのボディはMacBookの品格に自然に馴染む高級感があります。色はシルバーとスペースグレイの2種類が用意されており、使っているMacBookのカラーに合わせて最適なほうを選択可能です。また、左右どちらにも装着可能なので、外出先での作業など、さまざまな状況にあわせて自由なレイアウトが行えるのも大きなポイントです。
端子は、USB（一般的なA型）×2、USBタイプC×1、サンダーボルト3×1、HDMI×1、SDカードスロット×1、マイクロSDカードスロット×1を搭載。日常的に必要なものがバランスよく装備されています。サンダーボルト3ポートは87WのPD（パワーデリバリー）給電に対応しており、15インチモデルへも問題なく電源供給が行えます。接続で端子が塞がっても不足感を感じることはないでしょう。出先で「アダプタがない！」と困りがちなマイクロSDスロットが標準で付いているのも、ユーザが使う状況への的確な配慮が感じられて大変好感が持てます。
必殺の2枚使いもサポート
本製品が便利なのは、これだけではありません。HDMIポートとサンダーボルト3ポートは同時に映像出力できるため、MacBookプロ本体と合わせて3モニタ環境を構築できます。サンダーボルト3は5K（5120×2880）解像度まで対応しているので、アップルストアで販売されているLGの「ウルトラファイン5Kディスプレイ（UltraFine 5K Display）」などのハイエンドモニタの性能をフルに活かすことが可能です。ビデオ編集を行う際は、編集内容を別モニタにフルスクリーン出力しながら作業すると、小さいウィンドウでは気づかないような細部までチェックできるため、最終的な作品の仕上がりもガラッと変わってきます。
サイズの大きなデータを扱うと、速度低下や認識の問題が心配となりますが、今回のテスト（2016年リリースの13インチMacBookプロを使用）ではまったく問題を感じませんでした。ヴィア・テクノロジーズ（VIA Technologies）社製の高性能チップが採用されている点と、2つのポートを使って接続されていることの効果が、確実に現れているものと予想されます。
さらにゴージャスな使い方としては、MacBookプロの左右両方に接続した「2台使い」も想定できます。今回はテストできませんでしたが、販売元のWEBサイトでも2台それぞれにモニタを接続した例が紹介されおり、イベントでの映像出力などで手元のモニタやプロジェクタ各々に異なる映像を送るような専用機並みの運用も、非常に低いコストで実現できるでしょう。なお、HDMI端子が省かれた姉妹機「オールマイティ・ドックTB1（ALMIGHTY DOCK TB1）」も発売されているので、場合によってはそちらと併せて使うのも（特にコスト面で）魅力的な選択肢です。
MacBookプロの端子が一新されてそろそろ1年。対応機器やアクセサリなども徐々に増えてきましたが、まだまだ多種の端子が必要な状況は続くでしょう。常に持ち歩いて使うアイテムだからこそ、性能とデザインに満足度の高い製品を使いたいところ。本製品は、そんなMacユーザの期待に応えられる実力を持った一品といえるでしょう。
使用頻度の高い端子類
端子類は、現状で使用頻度が高いものが的確にセレクトされており、幅広いユーザのニーズにマッチするでしょう。なにかと使う機会の多いmicroSDカードをアダプタなしで使えるのもうれしいポイント。
ポート不足に困らない設計
本製品にもUSB PD（パワーデリバリー）に対応したThunderbolt 3ポートが用意されているので、MacBook Pro本体の2つのポートを塞いでも、機能的に困るようなケースはほぼ考えにくい気の利いた設計となっています。
1つで2台のディスプレイ接続
HDMIポートとThunder bolt 3ポートを併用することで、MacBook Proと合わせて3台のモニタに映像を出力することも可能です。Thunderbolt 3は5K出力に対応するなど、本体の端子を使うのと遜色ないスペックを持っています。
左右に接続OKなリバーシブル構造
Type-Cポートの特性を活かし、裏返すことで左右どちらのポートにも接続可能なリバーシブル構造になっています。利き手や作業スペースにあわせて、自由で快適なレイアウトを実現できるのもうれしいポイントです。
［SPEC］
TUNEWEAR ALMIGHTY DOCK TB2
【発売】フォーカルポイント
【価格】7980円
【サイズ】約114（W）×9.2（H）×29（D）mm（突起部除く）
【URL】http://www.focal.co.jp/products/detail.php?product_id=1325
【主なスペック】
【重量】約38g 【備考】インターフェイス：USB C×2（オス）／ポート・スロット：Thunderbolt 3ポート×1（メス 1.5A）、USB 3.0 Cポート×1（メス 900mA）、HDMIポート×1（ver1.4）、USB 3.0 Aポート×2（メス 900mA）、SDカードスロット×1、microSDカードスロット×1／対応モデル：MacBook Pro 13インチ（2016／2017）、MacBook Pro 15インチ（2016／2017）／対応OS：macOS Sierra／対応アクセサリ：Thunderbolt 3対応機器、HDMI対応機器、各種USB機器、SDカード、microSDカード／カラー：シルバー/スペースグレイ
私が紹介します！
大須賀 淳
映像作家・音楽家。シンセドキュメント映画「ナニワのシンセ界」監督。
