2016.07.06
MacBookの新モデルが今年の5月にリリースされ、その高速なSSD(フラッシュストレージ)が話題になっている。これは他のノート型Macに先駆けて、新しいプロトコルである「NVMe(NVMエクスプレス)」に対応した恩恵だ。NVMeとは何なのか、今回のモデルチェンジで大幅に性能向上を果たした理由と共に解説しよう。
ストレージとインターフェイス
MacにSSDが搭載されたのは今から8年前、2008年1月にリリースされた初代MacBookエアからだ。最初のモデルでは80GBのHDDと64GBのSSDからストレージを選ぶことができたが、そのインターフェイスにはPATA(パラレルATA)が採用されていた。これは当時の1.8インチHDDが採用するインターフェイスがPATAだったためだ。その年の暮れに刷新されたMacBookエアでは、インターフェイスはSATA(シリアルATA)に更新され、120GBのHDDまたは128GBのSSDを選択できるようになった。
このようにSSDのスタートはあくまでもHDDからの置き換えであり、そのインターフェイスやプロトコルはHDD用に作られた既存のものを使用していた。ハードウェアの設計や筐体の規格、OSなどのソフトウェア構造を変更することなく、HDDからSSDへのシームレスな移行を行うためには当然の流れだったといえるだろう。
そしてSSDが急速に普及した2010年以降は、MacBookエアやMacBookプロ・レティナディスプレイのようにHDDを搭載せず、初めからSSDを搭載したMacが主流になってきた。SSD専用機種であれば、その形状やインターフェイスをHDDに合わせる必要がないため、より薄型・軽量で小型なSSDを搭載できる。MacBookシリーズではスティック型と呼ばれる形のSSDが採用され、Mac本体の薄型化に大きく貢献したのはご存じのとおりだ。