2016.03.26
先日、インドのムンバイを訪れたとき、郊外の古いビルにメーカーズ系工房を作っている現場を見学できました。こうした動きが、国や環境の違いを超えて大きな潮流となりつつあることを実感した瞬間でした。読者の皆さんも彼らに負けない基礎知識を得られるよう、今回は、既存の3Dデータの探し方や写真からの作り方、そして出力サービスの利用法を、実際の流れに沿って説明していきます。
【1時限目】共有サイトで3Dデータを探そう
何か面白い動画や、プレゼン用などの特定の目的に合う動画を探したいとき、読者の皆さんはどうしていますか? おそらく、ごく自然にユーチューブのような動画共有サイトにアクセスして、検索を行うのではないかと思います。
連載の1回目で少し触れましたが、同じように3Dプリント用のデータにも共有サイトがあり、必要に応じて簡単に検索することができます。しかも、無料でダウンロードして、自分の3Dプリンタで出力したり、3Dプリントサービスに発注して造形することができるのです。
ただし、ユーチューブの動画のクオリティ(画質のみならず面白さや完成度の意味で)が一様でないのと同様に、3Dデータの共有サイトにアップされている作品も質的にはさまざまで、中には作者側でのテストプリントが済んでいなかったり、習作として作られているものもあります。しかし、あくまでも厚意で提供されているので、そういうものとして受け入れてください。
また、音楽にたとえると、3Dプリンタが楽器で、3Dデータは楽譜のような存在です。同じ楽譜を使っても楽器が異なれば違う印象の音楽になりますし、楽器の扱いに慣れていなければ不協和音に聴こえるかもしれません。この点については折に触れて説明しますので、3Dプリンティングにも練習やチューニングが必要だということを、とりあえず頭の片隅に留めておいてください。