【Chapter4_1】アップルのプライバシーポリシー|MacFan

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【Chapter4_1】アップルのプライバシーポリシー

文●山下洋一

アップルはこれまでも、これからもユーザのデータを収集しないことを宣言しています。ビッグデータの活用がトレンドになる時代に逆行するようなこの姿勢は、「ユーザファースト」を実践するアップルならではのプライバシーポリシーなのです。

プライバシーはコア・バリュー

WWDC 2015の基調講演のあと、テクノロジージャーナリストの重鎮ウォルト・モスバーグ氏が書いたコラムは「プライバシーはアップルの最新製品」というタイトルのものでした。これまでにもプライバシーがアップル製品の機能の1つといわれることはありましたが、「製品」とは言い得て妙。つまり、アップルが提供する最新のプライバシーは、人々がアップル製品を選ぶ大きな理由の1つになり得るというわけです。

アップルは近年、同社のプライバシーに関する方針に基づいて製品を設計し始めています。一口にプライバシーといっても、企業が用意するプライバシーポリシーはさまざま。ユーザの権利を認めるものがあれば、逆に企業の利益を守るためのポリシーもある中、アップルはプライバシーを「コア・バリュー」として、同社のミッションである「素晴らしい製品の提供」を実現するための基盤に位置づけています。そして「ユーザの信頼が何よりも重要」と宣言しています。

同社はユーザが安心できる環境作りに努めており、それを示す言葉として、「You are in control(あなたが主導権を持つ)」という文句が挙げられます。これは、アップルのエグゼクティブがプライバシー保護の取り組みを説明する際に必ず口にする言葉。オンラインサービスを利用するなら、多くの場合で個人情報のやり取りが発生しますが、アップル製品はプライバシーに関するやりとりをユーザが掌握し、管理できる仕組みになっています。