2015.10.15
IoTやホームセキュリティの1つとして話題を集めているスマートロック。iPhoneなどのスマートフォンを使って玄関の鍵を開けるという代物だが、単に鍵を開けるツールとして考えると期待を裏切る可能性がある。実際にスマートロックを導入して気づいた本当の価値についてお伝えしよう。
憧れの「開けゴマ」
小さなビルの同じフロア、隣り合わせの部屋に私の事務所と自宅がある。なので出勤は一歩。毎朝、自宅の玄関のドアを開けて一歩外に出たら、次は事務所のドアを開けるだけ。これで出社完了だ。そのわずか10秒ほどの間に、自宅の玄関ドアのロックを外して鍵を閉め、事務所の鍵を開けてロックするという儀式を毎朝夕に繰り返している。当然ながら自宅と事務所の鍵は違うので2本の鍵を手にしてだ。ここは何とか文明の利器を使ってスマートに処理したい…。こうして私のスマートロック導入計画がスタートした。
どの製品にしようかいろいろ迷った結果、株式会社WiLとソニーの共同出資で設立した「キュリオ(Qrio)」のスマートロックを選んだ。キュリオは既存のサムターンに被せるタイプの後付け式スマートロックなので、工事や鍵の交換が必要ない。しかも価格は2万円以下。フルカバーではなくL型なので、サムターン周りの形状にも柔軟に対処できる点も決め手となった。