望遠鏡導入計画 – 6 どのタイプの望遠鏡を選ぶか:経緯台編(金環日食73日前)

「金環日食観測ガイド ~安全に観測できる日食メガネ付き~」も発売されて一段落です。今度は観測に向けて皆さんと一緒に準備を進めたいと思います。そのためにも早く望遠鏡を選ばないとですね。

 

経緯台の構造と機能

 

今回は、経緯台を紹介します。写真でもわかるように実にシンプルな構造の架台です。上下と左右(水平)に回転する機能しかありません。図のように日周運動をしている天体を追うには常に上下と左右の両方を動かしていく必要がありますが、価格も安く簡単に操作することができます。コンパクトで重量もそれほどなく、セッティングや収納も簡単です。

 

経緯台は上下と左右に回転する2つの軸を備えています。写真はビクセンのポルタIIです。

 

日周運動している天体を経緯台で追うとこのように上下と左右の微動ハンドルを動かさなくてはなりません。

 

経緯台は見た目がかなりシンプルなので「こんなので大丈夫なの?」とか「天体を追うのが大変なんでしょ」と思われるかもしれませんが、セッティングが面倒な赤道儀と違ってすぐに観測が始められるメリットはたいへん大きいと思います。月や惑星あるいは比較的明るい星雲、星団を観察するのであれば、上下左右の両方のハンドルを操作しながらでも十分見ることができます。また、日食は昼間の観測になるため、当然ながら北極星は見えないので赤道儀のセッティングが非常に難しくなるため、観察がメインであれば経緯台のほうが導入しやすいのは間違いありません。経緯台は一般的に考えられている以上に便利な架台です。

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「金環日食」がいちばんキレイに見える場所はどこ?

国内では25年ぶりとなる2012年5月21日の「金環日食」(太陽がリングに見える天文現象)は、首都圏をはじめとして日本の太平洋側を中心に広い地域で見られ、約8,000万人が楽しめると言われています。

 

人生で一度しかないかもしれない機会。金環日食が見られる広いエリアの中でもどこでいちばんキレイに見えるのか気になりますよね!?

 

そんな中、「県内は観測地としてベストポジション」と名乗りをあげたのが千葉県観光物産協会。「CHIBA金環日食プロジェクト」を発足し、23市町が参加してイベントなどを計画中で、県内では「中心食線」に位置する印西、白井、鎌ヶ谷、船橋、市川の5市が金環日食を”最もきれいに見える”としています。

 

JAL機体イメージ

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ユニコーン、『宇宙兄弟』で初のアニメ主題歌 – 書き下ろし新曲「Feel So Moon」

2012年は天文ゴールデンイヤーです…とお伝えしたばかりですが、今年は「はやぶさ」関連映画だけではなく、”宇宙・天文モノ”の公開が続く1年でもあります。
3月10日には『おかえり、はやぶさ』が全国ロードショー。5月5日には『宇宙兄弟』が公開され、9月15日には天文学者を描く『天地明察』が…と続々と映画館に”宇宙・天文モノ”がやってきます。

 

 

映画『宇宙兄弟』公式サイト。宇宙飛行士となった弟、無職の兄。約束をかなえた弟、約束を思い出す兄。約束の宙(そら)を目指す、宇宙兄弟の物語が始まる――。

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2012年は天文ゴールデンイヤー! 「宙ガール」篠原ともえが天文女子連載開始

マガジンハウスの女性ファッション誌「Lips」で篠原ともえが宇宙コラムを始めたみたいですよー。その名も「篠原ともえの天文女子連載 宇宙に夢中!」。

 

 

おしゃれ女子のためのファッション誌「Lips」公式サイト。かわいい「宙ガール」が増えちゃいそうですね!

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望遠鏡導入計画 – 5 どのタイプの望遠鏡を選ぶか:架台の種類編(金環日食80日前)

いよいよ発売になりました!「金環日食観測ガイド ~安全に観測できる日食メガネ付き~」。PPフレームの日食メガネと内容盛りだくさんの48ページのムックの組み合わせで480円なので日食メガネとポスターや説明書だけの組み合わせの商品と比べてもたいへんお得だと思います。ぜひ、一度手に取ってご覧下さい。

 

架台を選ぶ場合の注意点

 

それでは架台の紹介です。架台は、鏡筒を支えるとともに目的の天体に向けるためのパーツです。鏡筒は大きければ大きいほど性能がアップし、さらに直接自分の目で覗くため性能の違いがわかりやすいのですが、架台は外見だけではなかなかわかりません。内部の構造は分解してみないと確認できないので、そこそこの大きさで頑丈そうに見えても意外に貧弱で精度が低いということもあります。実際に使って試してみるのが一番なのですが、残念ながらそういう機会はほとんどありません。仕方なく、メーカーの信頼性や巷の評判に頼ることが多くなってしまうのですが、絶対に選んではいけない製品だけはハッキリしています。カメラの三脚のような貧弱で微動ハンドルのない架台が付属している望遠鏡です。

 

天体望遠鏡はカメラなどとは違って高倍率で見るため視野が非常に狭く、指先で軽く鏡筒に触れただけでも目的の天体が視界から消えて(外れて)しまうことがよくあります。場合によっては、風や地面の振動だけで消えてしまいます。逆に目的の天体を視野に入るのはとてもたいへんです。月や太陽のように明るくて見かけのサイズが大きいものはともかくとして、広大な宇宙にある惑星や暗い星雲を望遠鏡の狭い視野に入れるためには微細な動きが要求されるため、少しずつ望遠鏡を動かすことができる微動ハンドルが必須となります。カメラ三脚のような構造で微動ハンドルのない架台で天体を観測するのは無理なんです。皆さん、これだけは忘れないでください。

 

架台の種類はいくつあるの?

 

架台も鏡筒と同様に複数の方式があり、選び方を間違えると使い勝手が悪いだけでなく、目的を果たせないこともあります。ただし、鏡筒と違って一般向けの架台は大きく分けて「経緯台」と「赤道儀」の2つしかありませんので、仕組と特徴を理解できていれば架台を選ぶ悩みは大きく減ります。もちろん、精度や堅牢性、あるいはモータによる自動追尾機能やコンピュータを利用した自動導入機能の有無といった違いはあります。このあたりはスペックの違いということになりますので、天体望遠鏡に投資できる金額によって変わってきます。お金を出せば出すほど頑丈で高機能なものが購入できますが、数百万円もポンと払える人はそうはいないので悩ましいところです。また、高価で高機能な架台は使う側にも高い技術力と知識が要求されます。数百万円払えば誰でも簡単に目的の天体が見られるということではありません。

 

 

左が上下左右に回転する経緯台(ビクセンのポルタIIシリーズ)、右が天体を追尾できる赤道儀(ビクセンのSXシリーズ)。

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