「金環日食観測ガイド ~安全に観測できる日食メガネ付き~」もうすぐです。みなさん、よろしくお願いいたします。
今回、望遠鏡を買い増ししようと思ったのはいいのですが、自腹だとどう捻出しても予算は10万円が限界です。お金を出せば良いものが購入できることはわかっていますが、いまの時代は本当に厳しいですよね。また、望遠鏡を初めて購入しようと考えている方の多くもいきなり数十万円から数百万円などという投資なんてありえません。目的によっては数万円からでもそれなりの製品は購入できますので、初めて買われる方の参考にもなるように、この予算でなんとか頑張りたいと思います。私が狙うのは、ちょっと贅沢に電動で自動的に目的の天体を捉えてくれる自動導入式の望遠鏡です。
ところで、望遠鏡を初めて買うという方は、実際にどんなものを選んでいいのかわかりませんよね。例えば、よくオモチャ屋さんで販売されている数千円の卓上望遠鏡がありますが、これでいいやなどと思って購入するとたいへんな目に遭います。あれはまったくと言っていいほど天体観測 の役には立ちません。地上や月のような大きな天体を見るのであればなんとかなりますが、木星や土星といった惑星や肉眼ではほとんど見えない暗い天体を見ようと思ったらまず不可能です。しっかり観るためには、最低でも少しずつ方向を変えることができる微動ハンドルを備えた製品が必要です。実売3万円前後から微動ハンドルを装備した製品がありますので、間違っても簡易的な仕組みの製品は買わないようにしましょう。
望遠鏡の機能や構造の話は追い追いしていくとして、一般向けの望遠鏡メーカーはかなりの数がありますが、私個人として思い入れがあるのは、日本光学工業、五藤光学研究所、高橋製作所の3メーカーです。もう数十年以上前の話になりますが、日本光学と五藤光学の製品は超高価で、中高校生が手に入れられるような品ではありませんでした。狙い目はそれなりに高い性能の鏡筒と非常に堅牢な架台が特長を持ち、かなり裕福な家庭であれば買えなくもない3番目の高橋製作所の望遠鏡でしたが、それでも安かったわけではありません。ちなみに、現在は日本光学(現ニコンビジョン)と五藤光学は一般向けの天体望遠鏡は製作していません。当時の天文少年の憧れのメーカーだっただけに残念なことです。しかし、高橋製作所は昔ながらに味のある望遠鏡を現在でも手作りで製作しており、日本光学と五藤光学が一般向け望遠鏡の市場から撤退した後は、日本を代表する高級望遠鏡メーカーの一つとなっています。