真紅のグロスしか似合わない国
もう何年も虹を見ていない 天候は、あまりに気まぐれで 人生を揺さぶったりもする 季節が変わったのは、グロスの色で知る 自我を塗りつぶしたようなリップグロスの色で どんな夢見がちな.....
アスピリンが必要な夜
水着を広げたら 去年の砂がこぼれ落ちた 骨を砕いたような白い砂は 鋭角に光を滞留させ、 南洋から、こぼれた時間のように見える 何か、取り返しのつかないものに。 もう.....
海を見ていた
ずっと、海を見ていた 青白く光る波を 波の音を聞きながら 地軸が傾くように頭(こうべ)を垂れて 一篇の詩のことを考えている 読み返すたびに、 肺まで青く染まっていく海のような詩のことを &nb.....