中央の模様が第一!

こんにちは。新人編集者のユウです。
昨日の囲碁電王戦最終局、小沢一郎 VS 『ZEN』 は、『ZEN』の完勝となりました。

 

見所だったのが、序盤の布石。両者四線以上に石がいき、模様の張り合いとなりました。
私の印象に残った手は、小沢氏の18手目、カタツキ。相手の四線の石に五線にカタをつくのは、通常は地に甘いとされます。しかし、善悪はともかく「中央を大事にする」という小沢氏の方針は伝わってきました。

その後、小沢氏に見損じがあり、形成が一気に『ZEN』に傾いてしまいました。
優勢を意識すると『ZEN』は強く、憎たらしいほど堅く打つそうです。
本局も小沢氏の勝負手を正面から受けることはせず、ただ「安全に勝つ」という命題のもと着手しているように感じました。

 

さて、今回の囲碁電王戦は人間側の3勝1敗という結果になりました。やはり、囲碁ソフトはまだまだ開発途上の感があります。
しかし、何かのきっかけでブレークスルーが起こり、プロと互角に戦う日がそう遠くない将来に訪れそうな気にもさせてくれました。
ぜひとも将棋のように、第2回、3回と電王戦が続き、人間VSコンピュータという新たなジャンルが確立されることを期待したいです。

カテゴリ: 編集部から

思考のエアポケット

こんにちは。新人編集者のユウです。

 

東京は先週に引き続き雪が舞っています。私も先日、何年かぶりに雪掻きをしましたが、慣れないことをしたせいか、翌日筋肉痛になりました。雪国ではとても生きていけそうにありません。

 

今日は今月の電子雑誌『囲碁人』の校正作業をしていました。当然、私が担当していたページも誤植が多く見つかりました。あれだけ確認していたにもかかわらず、です。特に盤面の記号が抜けていたのは驚きでした。私の目は一体どこを見ていたのでしょうか。

 

碁を打っている時も、そう思うことがあります。考えた末に「ここに手は生じない!」と決めつける時ほど、相手の反撃を見逃してしまいます。目の前の事象を正直に見る、というのは本当に難しい。逆に言うと、碁はそうした観察力を鍛えるにはもってこいのゲームです。全体を見て考える、相手の言い分も聞く、小利にこだわらない…など、私には碁から学ぶことがまだまだありそうです。

 

さて、『囲碁人』最新号、まもなく公開となります。巻頭に掲載されている16歳の一力遼三段のインタビューからは、彼の強い覚悟が伝わってきました。井山六冠とも練習碁を何局か打ったそうです。気になる勝敗は??詳しくは本誌でご覧下さいませ。

カテゴリ: 編集部から

読めば読むほど味がでる~『逆転力のつく詰碁』

こんにちは! 新人編集者のユウです。

 

今月発売される新刊『逆転力のつく詰碁』(著者 林海峰 九段)のご紹介です。

 

本書は『基礎力のつく死活』、『必殺力のつく詰碁』に続く三作目となっており、この巻をもって一応完結となります。もちろん本書から読み始めても問題ありませんが、全体の難易度としては前二作と比べるとやや高めとなっています。

 

私は本書を読んで「考える範囲はさほどないため、詰碁に苦手意識がある人でも解く気になる問題が多い」という感想を持ちました。具体的に言うと、一手目はある程度予想できるのですが、その後に問題のテーマである手筋が要求されます。しかし、それが分かると一本道なので、解けたときの快感は格別です(笑)そうした各問題のテーマも意識されると、より一層理解が深まるはずです。

 

大事なのは、林九段がはしがきで述べられているように「反復」することです。本書は反復する価値のある問題を収録していますので、かけた労力の分だけ皆さんの棋力に反映されるでしょう。

 

発売は2月25日を予定しています。詰碁が得意な人も苦手な人もぜひ手に取ってみて下さい。

カテゴリ: 新刊案内, 編集部から