松下女流初段は54分の考慮で▲１五角と端に角を出ました。狙いは▲５一角成です。角成りを防ぐ△３三桂には▲３五歩と突くことになりそうです。以下△１四歩には▲２六角と引いてどうでしょうか。


（▲１五角に対応が問われる梅津女流１級）

（琵琶）

▲１五角以下、△２四歩▲３七角△２五歩▲７五金△８四角▲同金△同歩（図）と進みました。先手は角金交換の駒得を果たしてペースを握ったようです。

（琵琶）

 

△８四同歩以下、▲７三歩△同金▲５五銀△７五歩▲６六飛（図）と進みました。▲７三歩とたたいてから▲５五銀と銀をぶつけて先手の攻めが加速しました。川上七段は「先手がよさそうですね」と話しています。後手は△７五歩と打って飛車先を止めましたが、将来の反撃筋であった△６七銀～△７八歩の筋が消えたのはマイナス要素になっています。

（琵琶）

▲６六飛以下、△７六金▲７四歩△８三金▲４四銀△６六金▲５三銀成△６五飛▲５四角△５五歩▲６五角△同金▲６二銀（図）と進みました。飛車取りに構わず▲４四銀が鋭い踏み込みです。△４四同歩は▲５六飛が幸便ですので、後手は△６六金と飛車を取るしかなかったようですが、▲５三銀成～▲５四角が厳しく、先手が好調です。

（琵琶）

▲６二銀以下、△６一歩▲７一銀不成△同銀▲６三飛△７四金▲６一飛成（図）と進みました。▲６三飛が痛打で、後手は受けの難しい格好になっています。図で△８二銀打が形ですが、平凡な▲７二歩があります。先手がリードを拡大して勝勢になりました。

（琵琶）