松下女流初段は手持ちの角を手放し、上部に手厚い構えを築きました。加藤桃女流四段はコンパクトに囲いを作り、持ち駒の角をどう使って攻めるのか。互いの角がポイントとなりそうな序盤戦が続きます。



数手進み、その角を後手陣に設置しました。７筋攻略を目指します。


（２手目△８四歩を着手する加藤桃女流四段）

（虹）

11時頃の局面です。図から▲４五銀△３三銀▲５四歩と上田女流四段が仕掛けました。手薄になった中央から攻略をはかります。以下△同歩▲同銀△４二金上▲５三歩△６二金と進行しました。


先手は５筋に攻めの拠点を確保しました。主張を作ったことに満足して▲４六歩と穏やかに進める手もありましたが、上田女流四段は▲３三角成！と激しく攻めていきます。△３三同角には▲７一銀と飛車金両取りをかける狙いです。意表を突かれたか、北村女流二段はこの局面で手を止めています。


（上田女流四段は中央から仕掛けた）

（胡桃）

上田女流四段の中飛車に対して、北村女流二段は早くも工夫を見せました。４手目の△１四歩がその一手で、先手の対応によって作戦を決める狙いです。▲１六歩は相振り飛車になったとき、後手から端攻めの選択肢が増えます。対して上田女流四段は端歩を受けず▲５五歩と突き、駒組みを優先しました。


15手目の▲５六銀が大きな一手で中央を制圧する形となりました。いつでも▲４五銀～▲５四歩と仕掛けることができます。先手の主張は▲５六銀型に組めたこと、後手の主張は１筋の位となっています。

（胡桃）

松下女流初段が７手目▲２二角成△同銀としたことで、先後入れ替わりでの角換わりとなりました。現局面は加藤女流四段が素早く動いたところで、関西将棋会館の対局立会人を務める東和男八段は「後手の攻めは部分的にはよくある形で、以下▲２五歩△３二金のあとどうやるかという局面です」と話します。また後手が後に攻める際、△８四銀▲６七銀左に△７五銀～△７六歩として抑え込む順が予想されています。


（初手▲２六歩を着手する松下女流初段）

（虹）

振り駒の結果、歩が３枚出て上田初美女流四段の先手番となりました。


(先手番の上田初美女流四段)


（後手番の北村桂香女流二段）


（対局開始直後の様子）

（胡桃）