▲３三馬を消して△２一金打とした局面。後手は８一の角は取れるものの攻め駒不足に陥ってしまった。先手はうまく後手の攻めを切らすことに成功した。あとはいかにして後手玉に迫っていくかだ。

（吟）

△３三桂と鈴木女流二段が跳ねた瞬間に中継室では声が上がった。穴熊が自玉側の桂を跳ねるのは勇気がいる。△３三桂を見て植山七段は「非常手段ですね。▲７三歩成でも手抜きで△４五桂と跳ねていくでしょう」と話す。井道女流初段はすでに持ち時間を使い切って１分将棋に突入している。薄くなった後手玉を攻め倒せるか。


（△３三桂と跳ねる非常手段。桂を攻めの援軍に）

（吟）

飛車に狙いをつけて▲８一角と井道女流初段が迫った局面。▲７三角成△同飛▲５四角成の狙いもある。「依然として先手が苦しいですね。３六の歩が入っているのが痛いです」と植山七段は話す。
苦しいながら２枚の角で井道女流初段は後手に食いついている。

（吟）

図は△６二飛と鈴木女流二段が歩を取って歩切れを解消した局面。
後手が桂得で自陣は穴熊で堅い。後手が優勢なのは間違いないだろう。
残り時間は▲井道女流初段21分、△鈴木女流二段41分。時間も鈴木女流二段が多く残している。


（前期挑戦者決定戦まで進出した鈴木女流二段。優勢な局面を築きあげた）

（吟）

（▲５三桂成と井道女流初段が桂を飛び込む攻めを見せた盤面）

△５三同角は▲７四飛が飛車成りと銀取りの十字飛車になる。そこで△６二角と歩を払ってどうか。中継室では▲５三桂成に△７五歩と突く手が味がよいといわれている。▲同金なら飛車先が重くなるので△５三角と桂を取って後手が指しやすくなる。

（吟）