▲7四金に長谷川が投了を告げた。
(1)△同玉は▲5四竜△同歩▲7五角成△8三玉▲8一飛△8二銀▲7四金△9三玉▲7二桂成までの詰み。2)△8二玉と引けば詰みはないが、▲5四竜と金を取った手が詰めろ。先手玉に詰めろもなく、逆転の見込みはない。
最後は華麗な決め手を放ち、上田が大事な初戦を制した。終局時刻は17時33分。両者とも時間を使い切り、終盤は1分将棋の秒読みの中、指していた。第2局は2012年4月20日(金)、山形県天童市「ほほえみの宿 滝の湯」で行われる。
(若葉)
図は▲4四飛と打ち、金に狙いをつけた局面。控室ではより慎重に攻める順を本線にして検討しており、やや「意外」という反応だ。大盤解説会でも同様に「ひねった攻め」と解釈されていた。山崎七段はここで△5三銀と受けてどうか、と予想。以下▲6五桂△6二玉▲5三桂成△同金▲4二飛成△5二歩の進行は、先手にとって容易ではない。後手は△5五馬がとにかく大きな一手だ。「長くなるかも......」とささやかれはじめたとき、モニタに△4三歩が映る。この手を見て、再び控室の空気は「先手攻めきれるのでは」というムードに変わってきた。ただ、少し前の局面と比べると、少しずつ後手が盛り返している印象だ。
(文)