後手が端の反撃で勝負に出ました。
馬を捕獲する狙いですが、代わりに先手は香をたくさん入手するため後の反撃が厳しいと言われています。「先手勝勢」の声が聞こえてきました。
上田女流二段は、初のタイトル奪取が近づいてきました。プレッシャーに耐え、最後まで落ち着いて勝ち切ることができるかどうか。甲斐女王は粘り抜いて勝負手を繰り出すチャンスを待ちたいところ。115手目から先手も持ち時間を使い切って両者1分将棋に。勝負はクライマックスを迎えています。
(八雲)
図は17時頃の局面。
数手前に甲斐女王は持ち時間を使い果たし、1分将棋になっています。
上田女流二段は10分ほど残しています。
「△9四飛はあまりいい手ではない印象です」(郷田真隆九段)
控室では▲9六歩が厳しいと言われています。
(八雲)
図は16時30分頃の局面。
後手の甲斐女王が穴熊らしく△7二金打と埋めたところ。
「これは『負けません』という手ですか」
「長くなりますね」
控室ではそんな声が聞こえています。
検討では△6九飛▲4六角打△6五飛成▲8八角成△同金▲7一銀、のような一直線の寄せ合いで後手が勝てる順を探していましたが、簡単には見つかりませんでした。甲斐女王も攻め合いでは成算が持てなかったため、いったん受けに回ったと思われます。
「しかし、(△7二金打は)少し受け過ぎの感もありますね。後手の△5六歩が好手だったということでしょう。居飛車も盛り返した雰囲気で、形勢はわからなくなりました」(佐藤紳哉六段)
(八雲)