図は58手目△4七銀の局面です。飛車と金の両取りになっており、▲1六飛と飛車を逃げると(1)△3七角成▲5七金△1四歩、(2)△5六銀成▲1五飛△6七金、など後手にさまざまな手段を選ばれてしまいます。上田女流二段はここで長考に沈みました。選んだ指し手は......。
上田女流二段の選択は、飛車を見捨てる▲6五金! △3六銀不成▲同歩で飛銀交換の駒損ですが、穴熊に収まった玉は遠く、▲5四歩から8四の飛車を捕獲する順や▲5三桂といった手段があります。ひと目は後手がよさそうに見えますが、まだまだ簡単ではありません。
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