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第4期 >> 本戦2回戦

矢内女流四段、冷静な指し回し

2010.12.09

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図は矢内女流四段が△8八飛成と成り込んだ局面。竜の利きで3八銀が動けないため、次に△4九角成とされると先手陣は崩壊してしまう。したがって熊倉女流初段は▲5八歩と角の利きをさえぎって受け、以下△6四角▲7四歩△6六歩▲5六飛△7七竜▲7三歩成と進んだ。

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矢内女流四段の指し手は冷静沈着。落ち着いた指し回しで先手にじわじわとプレッシャーを与えていく。優位を意識しているのだろう。いっぽうの先手は、次に△5五歩▲5七飛△6七歩成で飛車を詰まされてしまうので、相当に忙しい局面だ。先手の攻め駒は4一の成銀、駒台の金桂の3枚。7三のと金が参加すれば「4枚の攻め」になるのだが......。
控室では、図から△8五角という手が検討されている。遠く4一の成銀を狙っており、△7三竜で攻め駒を掃除する「降伏勧告」に近い手だ。△8五角に▲7四歩なら、△6七歩成が入る。このときに▲7六飛と飛車を切られることがない。
15時現在、この局面で矢内女流四段が腰を落として考えている。熊倉女流初段はやや苦しい形勢だろうか。手も足も出ない状況になってしまうのはつらい。うまく勝負に持ち込みたいところだ。

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(熊倉女流初段。昼食休憩後、再開時)

(文)