図は10時半頃の局面。矢内女流四段が守りの香を上がり、穴熊に囲う意思を示した。穴熊は将棋における最も堅い囲いで、王手がかからない遠さが最大の武器。自玉の守りに関してある程度読みを省略できるので、その分ほかの手について考えることができる。結果として、終盤でその強みを最大限に発揮する囲いと言えるだろう。
対する熊倉女流初段は四間飛車(しけんびしゃ)の構え。好守にバランスのとれた戦法でこれといった弱点がなく、アマチュアにも人気が高い。穴熊に対しては飛角銀の協力で攻勢をとる作戦がよく見られる。
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