先手番の加藤圭女流二段が中飛車に振って5筋の位を取り、戦型は先手版ゴキゲン中飛車になりました。加藤圭女流二段が振り飛車党、加藤結女流二段が居飛車党のため本命の戦型といえます。後手が右銀を繰り出すと、先手は▲6六銀(19手目)と対抗させて受けました。銀対抗と呼ばれる指し方です。受けに安定感のある構えですが、角道が止まるため攻撃面をどうカバーするかが問題。加藤圭女流二段は▲7七桂(39手目)の積極策に出ました。
データベースで過去の実戦を調べると、2018年に類似の局面で菅井竜也王位(当時)が同じ筋を指していました。次は▲8五桂または▲6五桂とシンプルに桂を跳ねる手があり、もし△7三桂と受けても▲8五桂△同桂▲8六歩と動く順があります。後手陣に離れ駒が生じ、決戦に出にくいタイミングを狙いました。
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