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第12期 >> 五番勝負第4局

共同インタビュー

2019.05.22

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感想戦後、西山女王は報道各社による共同インタビューに応じました。

――五番勝負を3勝1敗で制して防衛が決まりました。改めて、いまのお気持ちをお聞かせください。

西山 調子の悪い時期が続いていて、開幕前は防衛は厳しいかもしれないと思っていたので。今日も、くるときは勝つ自信はあまりなかったんですが、唯一の取柄である粘り腰をちゃんと発揮して頑張れたのが勝因の一つかなと思っています。

――「調子が悪い」というのは、五番勝負以外での対局も含めてということでしょうか。

西山 そうですね。気づいたら悪くなっていたという将棋が多くて、大局観に特に問題があるということを奨励会の対局でも感じていました。それが成績の低迷につながってしまっていたかなと。

――前期五番勝負と今期五番勝負とでは、気持ちの面で何か違いはありましたか。

西山 挑戦者だった前期は、伸び伸びと指せている感覚がありました。今期はタイトル保持者として里見さんという本当に強い方の挑戦を受けるということに重圧を感じましたし、上座に座るのも緊張するくらいでした。ですので、シリーズを通して挑戦者の気持ちで臨むように心がけてはいました。


――里見女流四冠と五番勝負を戦ってみての感想を教えてください。

西山 本当に大勝負に慣れていらっしゃるなということは、対局していて感じました。開幕から連勝して、数字の上では有利になったんですが、逆に私のほうが追いつめられているような感覚もあったりして。たくさんタイトルを取られている方は違うなと。

――そんな里見女流四冠に勝ったということについてはいかがですか。

西山 里見さんにとって今期の五番勝負は女流全冠制覇に向けての戦いという面もありましたが、全冠制覇というのは何とか阻止したかったので、その点は非常に嬉しいです。

――今期五番勝負も全局、振り飛車で戦われましたね。

西山 そうですね。今期も振り飛車一本でいくことは決めていました。

――4局の中で、どの将棋がいちばん印象に残っていますか。

西山 第2局ですね。ちょっと悪い将棋だったと思うんですけど、ぎりぎりのところで土俵を割らずに頑張れたのが、最近ではあまりない勝ち方だったので、自信になりました。

――今後の目標や、どのように将棋に取り組んでいきたいと思われているかを教えてください。

西山 里見さんを相手に防衛できたということは、本当に今後の大きな自信になると思いますので、その自信を糧にして今後も成長していきたいと思います。


――今期五番勝負で着られた和服はどのように用意されたのですか。

西山 今期も白瀧呉服店さんに貸していただきました。(若女将の)あゆみさんにいろいろ考えていただいて選びました。

――和服での対局は違うものがありますか。

西山 「タイトル戦なんだ」と、気が引き締まる思いがします。

――お姉様は囲碁棋士(西山静佳初段)ですね。妹さんのほうが先にタイトルを取られたことについて、お二人で何か話をされたりしたことはありますか。

西山 家でもしょっちゅう話していて、私のほうから姉によく「早くして」と発破をかけているんですが(笑)。まだなかなか。

――お姉さまのほうからはどうでしょうか。

西山 今期の五番勝負は本当に自信がなかったんですが、第3局で負けたときには姉が励ましてくれました。



(睡蓮)