(終局直後、インタビューが行われた)
(西山女王は最終盤で逆転勝ちを収めた)
【西山女王の談話】
――初手▲7八飛は作戦でしたか。
「はい」
――お互い下段飛車で探り合いが続いて、午後になって仕掛けましたけど、その辺りはいかがでしたか。
「これ以上は(自玉が)堅くならないと思って動いたんですけど、ちょっと無理気味だったかなと」
――端歩(71手目)を突き捨てましたが、逆用されて里見女流四冠がかなり手厚い形になったように見えました。
「角が動けない形になってしまったので、その辺りは悪くしたかと思いました」
――どのあたりで形勢が好転したと思いましたか。
「金を5五に出られて(105手目)勝負になったかなと思いました」
――勝利を確信したのは。
「▲8一飛(119手目)で合駒が1枚必要になるので、そこで勝ちになったかと思いました」
――初戦勝利しましたが、改めて心境はいかがですか。
「前期の1局目が負けだったので、気合いを入れて今日は挑んだんですけど、何とか勝ててホッとしています」
――第1局は明治記念館で行われますが、それに向けての抱負をお願いします。
「手番も決まっていることですし、しっかり対策をして臨みたいと思っています」
(敗れた里見女流四冠)
【里見女流四冠の談話】
――西山女王の初手▲7八飛は想定されていましたでしょうか。
「あるのかなと思っていましたが、何を指されるか分からなかったので、その中の1つという感じです」
――2手目△5四歩は研究されていましたか。
「そこまで研究はしていないですけど、一手、一手、考えてやっていこうかなと思っていました」
――相振り飛車にされたのは当初からの予定でしたでしょうか」
「5三銀の形にしたので、相振りで戦おうと思っていました。
――戦いが始まった辺りの展開はいかがでしたでしょうか。
「形勢判断がよく分からなかったんですが、いい勝負かなと思っていました」
――中盤辺り、里見女流四冠のほうが指しやすいのではないかと控室で言われていました。
「少し指しやすいのかなと思っていましたが、はっきりいいとは感じていませんでした」
――どのあたりで形勢が怪しくなってきたと思われますか。
「△同桂(114手目)では、△同銀で取ったほうがよかったかもしれないです。△同桂でだいぶ薄くなってしまったので、その辺りでおかしくしたように思います」
――次の第2局、明治記念館で行われますが、それに向けての抱負をお願いします。
「自分にできることをして、精一杯、力を出しきれるようにしたいと思います」
(玉響)