記念撮影＆本日の棋譜

2011.05.10

記者会見、テレビ局のインタビュー、動画撮影などを全て終え、最後に記念撮影をお願いしました。

【本日の棋譜】

終局時刻は17時48分、総手数155手にて挑戦者・上田初美女流二段の勝ち。
消費時間は両者とも３時間を使い切り１分将棋となりました。

チャット解説・大石直嗣四段による本局の総括。

「本局は相穴熊になり、７０手目△２五桂から甲斐さんが上手く指されているように見えましたが、８５手目じっと▲５六歩が印象的でした。難解な形勢が続き、終盤は１分将棋で端の攻防に見応えありました。最後は上田さんが後手陣を的確に寄せ切ったと思います。本局の結果で上田さんの３連勝になり新女王が誕生しました。おめでとうございます。ご覧いただきありがとうございました」。

本局の中継はこれで終了いたします。
ご観戦ありがとうございました。

（八雲）

第４期＞＞五番勝負第３局

記者会見

2011.05.10

上田初美新女王誕生につき、感想戦終了後に記者会見が行われました。
その模様を紹介いたします。

記者会見の冒頭で、日本将棋連盟会長、米長邦雄氏より、女流タイトル獲得の実績により上田初美新女王が本日付けで公益社団法人日本将棋連盟の正会員となったことが報告されました。

続いて記者会見が開始されました。

【記者会見の主な内容】

--５番勝負に向けて心がけていたことは？
「５番勝負というのは今回初めて経験させて頂いて、１局の将棋よりも長いスパンでの戦いとなるので、気持ちが切れないように、どれだけ上の部分で気持ち保っていけるかを考えていました。１局目が始まりますと、先後が決まりますので、序中盤の研究というものに力を入れるようにしました」。

--このシリーズはすべて居飛車でしたが作戦だったのですか？
「はい。すべて作戦です」。

--第１局はタイトル戦での初勝利だったわけですが、振り返ってみていかがですか？
「１局目は陣屋で指させて頂いたのですが、自分のことではないような出来事でして、将棋はずっと苦しい内容で、最後の最後は頓死という結末。その結果も自分の中で信じられないというか、勝ったのかな？というような捕え方でした。内容が納得がいかないものだったので、２局目以降また頑張らなければならないなと思っていました」。

--第２局と第３局の間がしばらく開いていましたが、その間の過ごし方は？
「公式戦が２局ありましたので、そちらもしっかり指さなければならないので、間に２局あったのもモチベーションを保つ意味では大きかったと思います」。

--あと１つ勝ったらという意識は？
「あまりなかったですね。昔からあまり緊張しない人間なもので（笑）。もちろんあと１つでタイトル獲得というのは知っていましたが、それによって眠れないというようなことはなかったです」。

--第３局を振り返って、自身ではどのような？
「第３局は甲斐さんのゴキゲン中飛車には居飛車穴熊で戦おうと思っていました。玉が両方堅い将棋では中盤が重要になると思っていました。中盤で形勢を損ねると一気に持っていかれてしまいますから。ですから中盤でいかにして主導権を握れるかを考えていました。中盤はお互いにわからないという局面が続きまして、最後は玉頭戦になり、もし寄せることが出来なければ、私の玉頭でもあるので持っていかれる可能性もあたので、緊迫した終盤戦でした」。

--タイトル獲得の今の気持ちを
「まだ実感はなかなかなくて、ただ女王というタイトルは非常に大きいと思っています。これから私の指す将棋がひどいと、タイトル自体にも申し訳ない気持ちになってしまうので、棋力向上に努めるのは
もちろんのことなのですが、タイトルを経験した方に比べると、立ち居振る舞いなどもまだまだ未熟だなと感じているので、そういったところもこれから向上させていけたらと思っています」。

--応援して頂いたファンの方に一言
「ここ数年でいろんな方に支えて頂いているなと実感しているのですが、目に見える形で言いますが第２局・第３局と鰻支部の方が昼食に鰻を持ってきて頂いたり、５番勝負すべて和服で戦うということで白瀧呉服店の方に着物から着付けからまで、ご協力頂いたり、いろんな方々に支えられてるなと感じました。私は女流棋士になって10年になるのですが、その10年間なかなか結果が出せない中で、ずっと応援して下さっている方というのは本当にありがたいなと思います。そうした方々のためにも今後、頑張っていきたいなと思っています」。