【ニコニコ生放送解説、戸辺六段が見た第2局】
私も実戦で指したことのある、先手中飛車と居飛車穴熊の対抗形になりました。
59手目の▲5四歩が好手で甲斐さんがペースを掴みました。その後、上田さん
が勝負手を出して66手目△6五銀(図)と打った局面が勝負所でした。▲5三歩
成から踏み込めば、甲斐さんが優勢な形勢を保てたと思います。△7八飛成(72
手目)から△3五歩と突いたあたり、大きなポイントでした。▲6六歩では▲5五歩
の方が得でした。△5五歩(80手目)から△6七角の構想が素晴らしく、最後も馬
の使い方(98手目~100手目)が見事でした。甲斐さんも中盤までは優勢な局面も
多かったのですが、終盤の入り口でつまずいてしまった印象でした。上田さんの2
連勝という結果ですが、第1局・第2局と苦しい将棋を上田さんが勝ったことはおおき
いですね。第3局以降の甲斐さんの巻き返しに期待したいと思います。
ニコニコ生放送を終え、将棋会館へ戻ってきた戸辺六段。
控室の関係者から「あれ?もう帰ってきたの?」と声をかけられて
いた。
(吟)
対局で目が疲れたのかハンカチで目元をおさえる。
上田女流二段
「作戦自体は想定していた局面なのですが、▲5七角(53手目)
と引かれた局面で対応を少し間違えてしまった気がしました。あ
そこでもう少し良い手がなかったかなと思っています。△5五歩
(80手目)と打った局面で、少し挽回できたかなと思いました。先
手の飛車が使いづらい形になったので持ち直したかなと思います。
(勝ちになったと思ったのは)最後の最後です。△3七歩(112手目)
は▲同銀と取られるとハッキリ読みきってはいなかったです。(初
タイトルにあと1勝ですがと問われ)第1局よりは自分の中で力を出
せた実感はあるので第3局も全力で頑張ります」。
甲斐女王
「指せると思って中盤のあたりは指していたのですが、踏み
込むところがわからなかったです。△5五歩(80手目)を打た
れて急に自信がなくなりました。あのあたりでもう少し攻める
べきでした。第3局まで日にちもありますし、気持ちを切り替
えていきたいと思います」。
(吟)