【図】は、23手目▲５八金左までの局面。
矢内女流四段の三間飛車に対して、鈴木女流二段が居飛車穴熊で対抗する戦型になっています。

居飛車党のイメージがある矢内女流四段ですが、近年は振り飛車も時折採用しています。本譜は、三間飛車と美濃囲いの組み合わせを選択しました。

藤森四段「矢内さんが考えていますね。いきなり▲３五歩と仕掛ける手を考えているということなのでしょうか。他には、▲３七銀引と引いてじっくりと指す展開もあるとあるとは思います。しかし、この時間の使い方（現在、14分の考慮中）は、いかにも仕掛けそうな雰囲気がします」

（中継カメラの映像。上側が先手の矢内女流四段、扇子と時計を手元に用意している）



藤森四段「積極的に▲３五歩といきましたね。しかし、いきなり激しい展開に突入するということではなく、少しちょっかいを出したくらいで収まると思います。三間飛車は、居飛車側が堅く囲うことに対しておおらかな展開になることが多いですからね。しかし、３筋の歩を交換したことが後々どう影響してくるか。また、３五銀がしっかり活用できるかどうかも気になります」

３筋の歩を交換して、いったん局面が落ち着くかと思われたが、矢内女流四段は▲３七桂と跳ねて積極的な姿勢を崩さない。

藤森四段「▲６五歩と角道を開けて、▲４五歩と攻めるような手を狙っています。先手から▲３四歩と打たれると拠点を許してしまうことになるので、後手は△３四歩と打って銀を追いかえすと思います。▲２六銀と引かせれば、▲４五歩の迫力も和らぎます」

【図】の局面で昼食休憩の時間になりました。

ここまでの消費時間は、▲矢内１時間３分、△鈴木１時間７分。

対局は、13時に再開されます。