図の局面でふらりと控室を訪れた甲斐女王。「後手のひとめは
△７一桂ですかね。成銀が気になってしょうがないので」とコメ
ント。事前に局面をチェックしてきたようだが、再びここ数手の
流れをおさらいする。

（吟）

▲５四歩と石橋が歩を垂らした局面。先手が角・銀交換
の駒得で、しかも後手は７一へ桂を使ってしまっている。
▲５四歩に△４三金ならば▲２六桂と打つような手も検討
されている。△２五銀ならば▲３五飛とさばく狙いである。

（吟）

△３五銀と打って受けた手に対し、飛車を３九まで引くと
思われていたが、▲１六角と角を放った。３五の飛車を
見捨てて角を打った瞬間に控室では「ひゃ～」の声が
あがった。これで決まっていればよいが、焦っているの
では？の声も聞こえてくる。

（吟）

図は▲４四角と金を取った局面。次に▲５五角や▲２二歩が
厳しい。飛車を渡しても▲５九歩や▲４八歩など歩が打てる
ので先手玉は堅く、すぐには寄りそうにない。

（吟）

両者秒読みの中、石橋が決め手と言われていた▲６二とを
着手した瞬間。△同飛ならば即詰みはないが▲同桂成△
同銀に▲７二飛の王手銀取りがある。石橋勝勢との評判だ。

（吟）