上図は▲４五歩の銀取りに△５五歩と銀取りをかけ返したところ。本日の関西将棋会館の対局立会人、山本真也六段から「クロスカウンター」の声が漏れています。▲４七銀とすれば（１）△４五銀には▲１八角（変化図）があり、（２）△５三銀と仕切り直す将棋になりそうでした。

本譜は▲４四歩△５六歩と互いに銀を取り合う激しい順に進んでいます。大島女流初段は▲５六歩と手を戻しました。バラバラの陣形で力量の求められそうな局面です。


（本局は強気な指し手が目立つ大島女流初段。吉と出るのか）

（飛龍）

加藤女流四段は激しく踏み込む手段もあったところ、△８七歩の垂らしを軸にゆっくりと攻める方針を見せました。大島女流初段は▲４六角で飛車を端に追い、▲２四歩と反撃に出ています。

（加藤女流四段は確実な攻めを見せ、面倒を見る方針のようだ）

（飛龍）

大島女流初段は再度の角交換から後手陣に馬を作り、加藤女流四段も垂らした歩を、初志貫徹とばかりに成りました。

進んで馬が捕まりましたが、▲４二歩△同飛（△同玉は▲５四桂△４一玉▲４二歩）▲８三馬で馬が生還しています。


（大島初段にも攻める楽しみが出てきている）

（飛龍）

図の局面で大島女流初段が持ち時間を使いきりました。以降は１手60秒未満の着手となります。加藤女流四段の残り時間は20分強ですが、両者秒読みのたたき合いになっても不思議ではありません。

（飛龍）

▲大島－△加藤桃戦は123手で大島女流初段の勝ちとなりました。終局時刻は16時48分。消費時間は▲大島３時間０分、△加藤２時間58分（チェスクロック使用）。大島女流初段が挑戦者決定戦に進出しました。

（飛龍）