15時を回り、双方とも残り時間が１時間を切りました。上田女流四段は先手の攻めに対応しつつ△８五桂と跳ねて反撃の準備を進めています。局面としてはいい勝負。飛車交換になって先手ペースかと思われましたが、そう単純な話ではなかったようです。先手からの厳しい攻めも現状は見当りません。

（上田女流四段は丁寧な指し回しから反撃に転じた）

図は16時20分頃の局面。△６九銀は先手の穴熊攻略に乗り出した手ですが、先手も▲４三歩成でと金を作れるため、まだ形勢がはっきりしません。残り時間は渡部女流三段が約８分、上田女流四段が約17分と、双方とも余裕がなくなってきました。競り合ったまま終盤戦に入りそうです。

（康太）

長い戦いの末、ようやく先手玉が見えてきました。図の△７六桂は△８八金▲同金△同桂成▲同玉△３八竜▲７八金△７六桂以下の詰めろ。どうやら後手優勢がはっきりしたようです。

（康太）

118手で上田女流四段が勝ちました。終局時刻は16時42分。消費時間は、▲渡部女流三段３時間、△上田女流四段２時間55分。
勝った上田女流四段は甲斐智美女流五段と２回戦を戦います。第４期五番勝負で女王を争ったカードが、２回戦で実現することになりました。

（吟）

（勝った上田女流四段）

（途中は自信なしの展開と話す。しかし最後は鉄壁に思えた穴熊を攻略した）

（敗れた渡部女流三段）

（感想戦の模様）
以上で本局の中継は終了となります。ご観戦いただきまして、ありがとうございました。

（康太）