先手の野原女流初段が▲２四歩を決行して、以下、上図に進みました。先手が２筋を押し込めたのに対して、後手は△２二歩から奪還を目指し、先手は３筋に戦線を拡大しています。
部分的には石田流や角交換振り飛車で時折出てくる攻防で、古くは1971年、第30期名人戦七番勝負第３局、▲大山康晴名人－△升田幸三九段戦が類例として挙げられます。妙手△３五銀で知られる有名な一局です（結果は後手勝ち）。



（４六にいた銀を３五に引いた伝説の妙手。▲同角に△３四金）
（独楽）

後手の甲斐女流五段、約16分の考慮で△３七角の強手を放ちました。直前の▲３六歩△同歩▲４七銀の動き方を逆用する攻めです。△３七角以下、▲同桂△同歩成と進み、一時的に角桂交換で後手駒損になりますが、飛車銀両取りが残り、後手悪くないとの判断でしょう。攻め合いになれば、玉形差を生かせる展開です。



（独楽）

12時、この局面で甲斐女流五段が11分使って昼食休憩に入りました。▲９四歩までの消費時間は、▲野原56分、△甲斐１時間３分。昼食注文は野原女流初段が「納豆オムレツ弁当」（鳩やぐら）、甲斐女流五段はなし。対局は12時40分から再開されます。

（独楽）

（昼食休憩中の盤面。11時30分頃から激しい順に進んだ）

（飛燕）

（独楽）

（手番の甲斐女流五段）

（対局再開後、眼鏡をかけると△３七歩とした）

（野原女流初段）


（△３七歩に対して、しばらく時間を使っていた）


（両対局者）

（独楽）