棋士室には加藤桃子女王が来訪しています。「将棋の修行で関西将棋会館を訪れています」とのこと。14時30分頃には、本局のおやつ「ハートのレモンケーキ」を試食しました。

（加藤桃子女王）

「食べた瞬間に、口の中にレモンの香りが広がります。バウムクーヘンのような食感で、爽やかで食べやすいです」（加藤女王）

「生地がしっかりしていて、おいしいなあ」（伊藤博七段）

（宮本五段、今泉四段も舌鼓をうつ）

西山奨励会三段は▲７六歩と飛車交換を拒みました。

加藤女王は「代えて▲７四同飛△同歩▲２三飛△８八角成▲２一飛成△４一歩▲８八銀は、△６九飛で２九の桂を取りにいくのが厳しい攻めです。このとき後手陣は底歩が堅いので、西山さんとしては選びにくかったのかもしれません。本譜の▲７六歩は、さばきを封じてゆっくり指そうということでしょうか。里見さんはここで動きたいですが、その手順が分かりません。先手は３六の歩を取り払えば歩得が生きると思います」と、見解を述べました。
同じく、今泉四段も、「落ち着いた好手」という評を残しています。

（西山奨励会三段は、里見女流五冠の攻めを受け止める作戦に出た）

（武蔵）

上図は△１五香と走った局面です。西山奨励会三段は▲６五角と攻め合いに出ます。そこから△１八歩成▲２一角成△２九と▲１五香△３九とと進みました。

途中の△２九とについて今泉四段は、「代えて△１九となら桂と香を確実に取れました。△２九とはある程度▲１五香を限定して、そこで△１七角に期待しているのだと思います」と話しました。局面は一気に激しくなり、終盤戦の入り口を迎えています。

（武蔵）
 

西山奨励会三段は▲３九同金と応じました。ほかには▲３九同玉、▲２八金も考えられ、例えば▲３九同玉なら、△１七角▲２八香△１六桂▲３六銀△２八桂成▲同金△２六角成が一例でした。「▲３九同金は△３七角と打たせて攻め合う狙いがありそうです」と今泉四段は話します。現在は、△３七角▲４九玉△２六角成▲７五歩△９四飛と進みました。

数手前の▲７五歩で先手持ちとの声が出始めています。

（武蔵）

16時頃の局面。ここまでの消費時間は▲西山２時間48分、△里見２時間34分（チェスクロック使用）。
両者の持ち時間が少しずつ少なくなっています。西山奨励会三段は▲５六桂と両取りに打ちました。△４五金には▲６四桂と飛車を取ると、次の▲５四馬が▲２一飛の王手馬取りを見て厳しい狙いになります。
「飛車が横に逃げるのは、ただ逃げただけになってしまいそうです。▲５六桂自体はかなり厳しい手だと思います」（星野良生四段）

（少し里見女流五冠が苦しい局面を迎えている）

（武蔵）