[将棋]マイナビ女子オープンブログ|将棋情報局

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(逆転で白星発進の西山女王)

(優位を維持できなかった福間女流五冠)

(感想戦を立会人の屋敷九段が見守る)

(西山女王はいくつか誤算があったという)

(端攻めは事前の準備ではなかったそうだ)

(終盤では混戦に持ち込み、持ち前の豪腕を発揮した)

(作戦的に趣向は成功していた福間女流五冠)

(感想戦の様子)

本局の中継は以上になります。ご観戦ありがとうございました。4月15日(火)に行われます第2局もお楽しみに!

(琵琶)

 


(第1局を制した西山女王)
【西山朋佳女王インタビュー】
――9筋から仕掛けられましたが、あのあたりはどのような印象でしたか?
西山 かなり早い段階だったので予想外ではあったのですが、▲9五同香(25手目)に△9三歩などいろいろな方針があり、どれがいいのか。そのあたりで形勢を損ねてしまったかなと思っていました。

――控室では差がついてしまったと見ていた場面がありましたが、△9五角(56手目)と打ったあたりの手応えはいかがでしたか?
西山 途中で結構、致命的な見落としがあって、かなり形勢に差がついてしまったと感じました。怪しい手が残っていたのが幸いで、実際の形勢よりは難しいのかなと思っていました。

――見落としたのは具体的にどの手ですか?
西山 昼食休憩前の▲9三歩(31手目)だったり、△8四歩(38手目)にすぐ▲同角と取られたり、あまり深掘りできていなかったのがひどかったと思います。

――終盤の反撃が奏功しましたが、どのあたりで勝ちを意識しましたか?
西山 △7八銀(72手目)と打って歩も利くので逆転していてもおかしくはないかなと思いました。

――防衛に向けて幸先のいいスタートになりました。第2局へ向けて意気込みをお願いします。
西山 内容としては反省が多いですが、すぐに第2局がありますので、しっかり立て直して挑みたいです。


(黒星スタートとなった福間女流五冠)
【福間香奈女流五冠インタビュー】
――本局は趣向から斬新な仕掛けでした。成功したように見えましたが、準備した仕掛けだったのでしょうか。
福間 いや、一手一手考えながらという感じでした。

――端攻め以降、指しやすくなったように見えましたが、手応えはいかがでしたか?
福間 ちょっと危険な順を選んでしまったかなと思います。

――優勢になったと思いますが、そのあとは混戦模様になりました。ご自身ではどのあたりで他にいい手があったと感じましたか。
福間 銀を見捨てたところ(60手目△3七歩成の局面)や、本譜だともう少しわかりやすく剥がしていく順のほうがよかったかなと思います。

――第2局に向けて抱負をお願いします。
福間 引き続き、頑張りたいと思います。


(終局直後の様子)

(琵琶)
 


第18期マイナビ女子オープン五番勝負第1局、▲福間-△西山戦は西山女王が勝ちました。終局時刻は16時34分。消費時間は、▲福間2時間47分、△西山2時間46分(持ち時間は各3時間)。第2局は4月15日(火)に山梨県甲府市「常磐ホテル」で指されます。

(牛蒡)


△7一香に対して福間女流五冠は▲9二飛(1図)と打ちました。▲7一成香が狙いです。実戦は△5二玉▲7一成香△4三玉▲8六竜△5七角成▲6八金(2図)と進んでいます。

屋敷九段は「かなり難しいと思います。後手は△7九銀と打つのか、△7八銀なのか。どちらも際どいです。先手は玉を7筋方面に逃げ込めれば捕まらないので、後手は玉を逃がさないように仕留められるかどうか」と解説しました。後手の次の一手が明暗を分けるかもしれません。

(踏ん張りどころを迎えた福間女流五冠)

(琵琶)

 


△3七歩成に対して福間女流五冠は▲4六桂(1図)と打ちました。1三の角筋を止めながら飛車を取りにいったのです。1図以下△4七と▲3四桂で、後手玉は▲7二飛以下の詰めろになっています。西山女王はその筋を△7一香(2図)と打って受けたのですが、後手玉は簡単には捕まらないようです。後手は手番が回ると△5七角成が厳しいので、先手もゆっくりはしていられません。

屋敷九段は「西山さんがうまく粘っていますね。後手は△5七角成というわかりやすい手があるのに対して、先手はどう切り返したりしのいだりするか悩ましいです。評価値は先手がよくても、正確に指して優位を維持するのはなかなか難しいと思います」と話しています。先手がまだわずかに優勢ながらも、混戦模様になったといえそうです。

(控室の継ぎ盤で検討する立会人の屋敷九段)

(琵琶)