井道女流二段、昼食休憩前と合わせて約50分の長考で△3四銀(46手目)とぶつけました。戦いを起こさないと▲4六歩から桂を取られてしまうため、東京・将棋会館の中継室でもこの一手と見られていました。東京の対局立会人を務めている川上猛七段は、桂を歩で取る筋を残す▲2六銀を本線で考えていましたが、堀女流1級は▲4六銀と指しました。「桂先の銀」で安定感はありますが、後手からすると急ぐ必要がなくなったので、じっくり戦うことができるようになった側面もあります。
玉側とは逆の端を攻める△1五歩(52手目)は珍しい筋。こうした攻めが間に合う展開になったのも、先手の選択によるものといえます。
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