図は14時38分の局面。先手が攻め続けていますが、自陣の穴熊は金１枚になりました。攻めが止まるようだと、一転して後手勝勢になる可能性もあります。先手は勝ちに向けて歩みを進めているものの、その道は崖上にあって、わずかでも踏み外すと転落する、という状況です。後手も頑張りがいのある将棋です。

（北村女流二段にも楽しみのある展開になった）

（牛蒡）

図は14時８分の局面。▲４五金は絶品です。３五にいた金を動かしたことで、自身の飛車を使いつつ、５四の飛車取りになりました。東京の対局立会人、金沢孝史六段は「先手が勝ちそう」と話しています。
（１）△５八飛成には▲３三飛成△同金▲同角成△２二銀▲３四金。以下△３四同銀なら▲３一金と詰めろをかけ、後手が２一に何の駒を埋めても▲２一同金△同玉▲３二金で寄せにいけます。（２）△３五歩には▲５四金△３六歩▲３一飛△２一銀▲３三飛成△同金に▲４三金がピッタリで、先手は歩切れも解消できます。

（金沢六段は控室で観戦しながら解説中）

（牛蒡）

図は13時７分の局面。先手は完全に「縦の将棋」にしました。駒を手に入れて３三に打ち込んだり、角道を通して▲３三歩成からさばいたりといった展開が理想です。ただし、４五金は歩越しの金、３五銀も飛車を止めていて、かなり重い形をしています。うまくさばけるかどうか。一気に仕留めるくらいの勢いで攻め込めないと、金銀２枚の穴熊では反動も大きそうです。

（上田女流四段は玉側の攻めに懸けている）

（牛蒡）

北村女流二段は少なくとも再開10分前には盤の前で考えていました。上田女流四段はマイナビ女子オープンのマグカップにほうじ茶を入れ、席に戻りました。再開後の一手は▲３四銀、以下数手はビシビシと進みました。

（北村女流二段）

（上田女流四段）

 

 

（▲３四銀を着手）


（牛蒡）

図の局面で上田女流四段が15分使って昼食休憩に入りました。休憩時間は12時から40分間。ここまでの消費時間は、▲上田１時間３分、△北村52分（持ち時間は各３時間）。上田女流四段の昼食は「ゴーヤチャンプルー弁当、副菜なし、ごはん少なめ」（鳩やぐら）、北村女流二段は「肉豆腐（キムチ）弁当」（鳩やぐら）。

（休憩中の対局室）

（香月作、菱湖書）


（牛蒡）