終局後、対局室では主催社によるインタビューが行われました。言葉少なに語る両者。熱戦の余韻が室内に漂っています。
<インタビュー>
■加藤女王
― 本局は横歩取りとなりました。予想はされていましたか?
「予想はしていましたが、1局目に来るとは思っていなかったです」
― 準備万端というわけではなかったと。
「そうですね」
― 中盤の形勢はどのようにみられていましたか?
「こちらは飛車を動かしているだけであまり駒が前に出ていないので、難しいと思っていました」
― 指しやすさを感じたのどの辺りでしょうか?
「桂を▲7七桂~▲6五桂と跳ねた辺りですね。駒が前に出てきてよくなかったかなと思いました」
■上田女流三段
― 横歩取りは予定でしたか?
「そうですね。後手番なら横歩取りと決めていました」
― ▲2八飛で前例と離れました。▲2八飛の局面は経験がありましたか?
「初めて指しました。普通の変化と比べてどう違うのかなと考えていたのですが、本譜はどう指すかわからなかったです」
― 中盤はどのように考えていましたか?
「中央からの攻めがうるさいんじゃないかと思っていたのですが、なかなか実行する局面がなかったです。▲1二角~▲2一角成が予想でした。△4二金上も考えましたが、玉が不安定になるので指し切れませんでした」
― 終盤はいかがでしょうか?
「飛車が四段目にいる展開は模様が悪くなりそうだったので、仕方がないかなと思います。▲7七桂~▲6五桂が痛かったですね」
(若葉)
107手で加藤女王が制した。終局は16時32分、消費時間は▲加藤2時間24分、△上田3時間。
第2局は4月18日(土)静岡県牧之原市「高尾山 石雲院」にて行われる。
(吟)
控室が慌ただしくなってきました。87手目▲6五桂から、加藤女王が後手玉を攻め立てています。厳しい一手を後手陣に突き刺していく先手。後手玉がみるみるうちに薄くなっていきます。「(後手玉は)もうもたないよ」と継ぎ盤を囲む勝又六段。一気呵成の攻めが決まって、いつの間にか先手が勝勢となっているようです。
(若葉)