手数は140手に達しました。現局面は先手に詰めろがかかっていますが、▲２五歩△２八銀打▲２六銀と受ける手があります。銀を手に入れれば後手も危ないため、ここは正確に指さなければいけません。

（紋蛇）

△４八とに▲同金と取った局面。矢内女流五段は△２五桂打でしたが、ここは△５四金▲同歩△２八銀も検討されていました。

「△２八銀には▲４三金！が気になったのでしょうか」（藤森四段）

△同玉▲５三歩成。


△同角は▲５四金と押さえてから▲２八玉で銀を取れます。△３二玉に▲４三銀△２三玉▲３四銀成△同玉▲４四金。

△同玉は▲５四飛以下詰み。△２三玉も▲３四金打△２二玉▲３三金左△２一玉▲３二金△同玉▲４三と△２一玉▲３三桂△２二玉▲５二飛成からの簡単な詰みです。

△２五桂打はこれらを避けています。もちろん山根女流１級も読んでいたことでしょう。恐ろしい終盤戦です。

（紋蛇）

山根女流１級が飛車を見捨てて▲４三銀打と踏み込みました。△４六歩は▲３四銀成から食いついて先手良しです。


（対局再開後の山根女流１級。得意の終盤力を発揮できそうな展開だ）

（紋蛇）

▲５四銀とプレッシャーをかけた手がわかりやすく、藤森四段は振り飛車持ちです。つぎの▲４三銀打が狙いで、△４五歩には強く▲同銀があります。決戦になると▲１八玉も生きる格好です。矢内女流五段はここを持ちこたえないといけませんが、容易ではありません。


（対局再開後の矢内女流五段。食いつきを凌ぎきれるか）

（紋蛇）

押したり引いたりの手順が続き、手数は100手を超えています。優劣はまだはっきりしていません。

（紋蛇）