(加藤桃子女王は開幕2連勝)
―先手中飛車は予想されていましたか。
加藤 予定通りでしたが、37手目▲9五角から▲8六角はあまり考えていませんでした。駒組みが難しかったです。本譜は指し手を後悔することが多く、思うように指せないところもありました。
―49手目▲4五歩の局面は銀挟みです。踏み込んだ順に見えました。
加藤 踏み込んだというよりは仕方がないといった感じです。46手目△2五歩では休憩中に他の手を考えていたのですが、微妙かなと思いました。穏やかな展開にしたかったのですが、激しくなってしまったので仕方がないです。
―56手目△2六歩から△8五飛のあたりは。
加藤 △2六歩はいいとしても△8五飛はよくなかったと思います。▲7五歩と突かれて相手の駒が働いてきました。角交換になったあたりは、あまり自信がありません。
―その後の展開はいかがでしたか。
加藤 玉頭に嫌みをつけたので踏み込みづらいだろうとは思いましたが、強く指されてしまって。87手目▲3六香で△3五桂を消されてしまい、失敗したと思いました。
―92手目△4九桂成は勝負手でしょうか。
加藤 勝負手気味です。その前の△5九飛は相手に銀を使わせようと考えました。こちらも飛車を渡すので怖いのですが、悪いと思ったので仕方がないと。
―どこで勝ちを意識しましたか。
加藤 118手目△3一飛で飛車が働いたので。その前も残しているような気がしましたが怖かったです。
―次局について。
加藤 本局は一手一手が難しく、悲観的になることが多かったです。メンタル面も技術面も安定していませんでした。次はのびのびと指したいと思います。
(敗れた上田初美女流三段)
―中飛車は予定でしたか。
上田 そうですね。
―銀挟みの局面はいかがでしたか。
上田 46手目△2五歩は意外でしたが、50手目△3三角まで進むと大変だと思いました。
―その後はどうでしたか。
上田 ずっと難しかったです。この戦型は玉が薄いので丁寧に指さないといけないのですが、玉頭にアヤをつけられて気持ち悪いなと思っていました。
―▲3六香の局面はいかがでしょうか。
上田 そこは大変になったと思います。指しやすいとも思ったのですが、直後の△5七桂が見えていませんでした。どう指せばよかったのか。
―95手目▲4八銀では、△5六角を消して▲6七金も検討されていました。
上田 ▲6七金はあまり考えていませんでした。
―次局について。
上田 あとがなくなりましたが、あまり気にせずにがんばりたいと思います。
(終局直後)
(牛蒡)