検分の後、両対局者に直前インタビューが行われました。
記念撮影を終え、そのまま対局室の検分に。タイトル戦では対局の前日に、対局室で対局に使う盤や駒、照明や空調の具合を確認するのが古くからの習わしだ。陣屋は昔から数々のタイトル戦が行われてきた旅館で、対局にあたっては所蔵の盤と駒が用意される。対局室は「松風の間」。明治天皇を迎えるために黒田藩主が大磯に建てたものを、のちに三井家が移築した部屋である。
両対局者が揃うと、立会人の鈴木八段が駒を二人に渡した。今回陣屋で用意された駒は2組、影水師作の錦旗書と静山師作の菱湖(りょうこ)書。いずれも漆を盛り上げた盛上駒と呼ばれる最高級品だ。駒の書体には多くの種類があるが、錦旗と菱湖は中でもメジャーなもの。里見女王の希望は菱湖書。加藤奨励会1級も同じ書体を希望した。菱湖は細く流麗な字体が特徴で、見やすさで対局者に好まれることが多い。空調も事前に打ち合わせがあり、対局者に直接風が当たらないよう、隣の部屋に入れることに決まった。
このあとは18時から関係者を集めての食事会が行われる。
(静山師作、菱湖書)
(影水師作、錦旗書)
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15時30分から記念撮影が行われた。陣屋の庭園は一万坪を超える広さ。桜の花は散り緑の葉を付け、季節の移ろいを感じさせていた。
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