長い戦いの末、ようやく先手玉が見えてきました。図の△７六桂は△８八金▲同金△同桂成▲同玉△３八竜▲７八金△７六桂以下の詰めろ。どうやら後手優勢がはっきりしたようです。

（康太）

図は16時20分頃の局面。△６九銀は先手の穴熊攻略に乗り出した手ですが、先手も▲４三歩成でと金を作れるため、まだ形勢がはっきりしません。残り時間は渡部女流三段が約８分、上田女流四段が約17分と、双方とも余裕がなくなってきました。競り合ったまま終盤戦に入りそうです。

（康太）

15時を回り、双方とも残り時間が１時間を切りました。上田女流四段は先手の攻めに対応しつつ△８五桂と跳ねて反撃の準備を進めています。局面としてはいい勝負。飛車交換になって先手ペースかと思われましたが、そう単純な話ではなかったようです。先手からの厳しい攻めも現状は見当りません。

（上田女流四段は丁寧な指し回しから反撃に転じた）

図は14時30分頃の局面。銀桂の参加しない軽い動きでしたが、図まで進むと渡部女流三段の攻めが成功したといえそうです。以下△２二飛には▲３四飛△３三歩▲２四飛で飛車交換を強要できます。実戦は△８四歩▲２四角と取り合いましたが、これも飛車を打ち合っての攻め合いが予想され、先手の４枚穴熊が威力を発揮する展開でしょう。
（渡部女流三段は細い攻めをうまくつないだ。現状はペースを握っていそうだ）

（康太）

13時20分、渡部女流三段が動きを見せました。２筋の突き捨てから▲７七角と引き、角交換を迫ります。先手は角交換後に▲２四飛と走る展開に持ち込めれば理想的です。図以下、△２二飛▲４六歩が実戦の進行。先手が堅陣を生かして暴れ、後手が受けに回る展開となっています。

（上田女流四段。攻め合いは苦しいため、耐えて反撃のチャンスを待つ）

（康太）